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異世界の宇宙に船ごと転移しましたが、お兄ちゃんのいない宇宙には住めないので、お兄ちゃんを探す事にしました!〜男装ブラコン少女の宇宙冒険記〜  作者: 黴男
シーズン9-オストプライム編(後編)

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256/272

254-ガヴェインの試練

私たちはメモリーに記録されていた座標へとワープする。

オストプライムの外周部には無数のマフィアの拠点があり、私たちが向かう先もそこである。

ガヴェインの本拠地の座標だが、攻撃される恐れがあるため戦闘態勢を整えて行く。


『ワープアウトまで40秒』

「みんな、準備はいい?」

「はい」

「大丈夫です」

「大丈夫!」


アドアステラは長いようで短い旅を終えて、無事に指定の地点へとワープアウトする。

辿り着いた先は、巨大な構造物の近くだった。

アドアステラの周囲にも無数の構造物が存在していて、レーダーからアラートが鳴っている。

そのとき、私の携帯端末に着信が届く。

非通知で、ビデオではなく音声通話だ。


『ようこそ、ガヴェイン本拠地へ』

「こんにちは」


挨拶を交わし合う。

案内してくれるのかと思っていた私だったが、


『早速だが、ウチの若いのをやってくれた礼をさせてもらう、倒してこっちまで来るんだな』


本拠地までの距離...300km。

それまでの空間に、コルベットとフリゲートが中心の艦隊が布陣するのが見えた。


「シトリン、情報を」

『総数32、製造元はバラバラです』

「出来合いの船に素人を詰め込んだだけかな」


布陣といってもそんなに高度なものじゃない。

だいいち、射程距離を意識するなら鶴翼の陣を形成するべきだが、この場合は球状隊形で、射線が取れない船が出る。


「ファイス、サブシステムに注水開始」

「了解!」


今回はキャッスルモジュールは使わない。

私はシトリンに命じて、遠距離用レーザービーム変調クリスタルを装備させ、敵との距離を慎重に詰める。

射程距離は200km以内。

敵も恐らくは長くて150km程度と思われるので、こっちに向かってアフターバーナーを全力で前進してくるだろうと予測できる。


「ラビは今回待機。レーダー役やって」

「うんうん!」

「...やっぱりミサイル役も」

「厳しくない?」

「やって」

「...うん」


ブリッジに沈黙が満ちる。

コンソールから鳴った警報で、私は我に返った。


「撃て!」

『発射します』


最適な射程距離に入った艦を、撃ち落としていく。

かつてはシールドを抜くのに苦戦したフリゲート艦だけど、アドアステラの強化された主砲なら容易に貫通できる。


「三機撃墜、続けて範囲内に四隻」


こういう時のラビは真面目だ。

いつもこうなら可愛いのに......


「続けて攻撃!」

『了解』


おかしい。

私たちを試すなら、こんな広い戦場を指定する理由がない。

もっと狭い範囲に展開させて、攪乱しながら仕留めようと動く筈だ。


「作戦変更。CJD起動!」


私はマスクを展開してアドアステラを前方にジャンプさせる。

そして、続けてSWDを起動して前進。


「何する気?」

「敵はきっと、こっちの最大射程を測ってる。それなら、近距離戦に持ち込んで遠距離攻撃は多用できないって示せばいい」


それに、遠距離からチマチマっていうのは向こうも望んだ展開じゃない筈だ。

何となくわかる、敵の首領(ドン)はカナードと同類。

彼ほどじゃない気もするけど、命をおもちゃにするタイプの人間だと思う。


『射程距離内に五隻、続けて射程距離外円に七隻接近』

「シールドを維持! ダメージコントロール!」


どんどん敵を引き付けて、懐に入り込んだところを確実に仕留める。

今回はドローンは使わない。

敵に手札を見せる必要は無いから。


『残存敵艦二隻、射程距離より離脱』

「無視していいよ」

「えっ?」


直後、アドアステラから逃げようとしていたコルベット二隻が、基地側からの砲撃によって撃沈されるのが見えた。


「ショーは終わりだ」


私は回線を繋ぎ、そう言い放った。

向こう側からは笑い声が響き、


『ハハハ、良いだろう。認めよう、ガイドビーコンを出す。3番ドックに入ってくれ』

「わかった」


どうやらお眼鏡には適ったようだ。

私は船を動かし、基地へ向けて入港させるのだった。


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