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異世界の宇宙に船ごと転移しましたが、お兄ちゃんのいない宇宙には住めないので、お兄ちゃんを探す事にしました!〜男装ブラコン少女の宇宙冒険記〜  作者: 黴男
シーズン9-オストプライム編(前編)

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250-大激動の時

「...........」


翌日。

私は一睡もできずに目覚めた。

寝巻から普段着に着替え、アドアステラのブリッジに上がる。

そこでは、疲れ切った様子の皆がいた。


「........主人」

「....何?」

「私は、あなた様の誓いを果たせませんでした、この末は、この命で――――」

「やめてよ! 情けないッ!」


私はファイスに失望して、吐き捨てた。

失って初めて、こんなに浅ましい忠誠だったのかと、意識してしまう。


「どこで学んだか知らないけど、騎士物語でも何でもないんだから、自死は美徳でも何でもない。それよりも、これからどうするか聞くべきだと思うけど?」

「も、申し訳ございません.....」

「ま、まあまあ、カル.....」

「何?」


私は、少しずつ近寄ってくるラビを睨み付けた。

睨み付けて、すぐに冷静になった。

息を吐いて、次善策を考える。


「落ち着いた?」

「うん.....とにかく、地下都市に逃げ込まれた以上、私達だけじゃ何もできない、TRINITY.を頼ってみようか」


私は勲章授与者だし、プラチナ傭兵の一人。

その仲間が巻き込まれたとあれば、TRINITY.も動いてくれるかもしれない。

だけど、それでも完全じゃない。

TRINITY.が動くと、事が大きくなる。

私達を確実に抹殺できなくなれば、あの二人を生かしておく価値もなくなる。

だからこそ。


「ねぇ....ラビ」

「?」

「裏社会に仲間入り――――ってのも、悪くないんじゃないか?」

「まさか!」

「ああ、そうする」


この国が一枚岩ではないように、この国の闇もまた一枚岩ではない。

現行の大きな流れが私たちを狙うのなら、傍流は私達という勝ち馬に乗りたがるはずだ。


「しかし、御主人.....それは、あまりに危険な道では?」

「危険とも言い切れませんよ、ファイス」


その時。

私たちの会話に、今まで参加していなかったノルスが入ってきた。


「ノルス、何か考えがあるの?」

「いえ、特には――――しかしながら、メリットを提示すれば、彼らは本来知られているイメージよりも誠実に動くはずです。....そのメリットが大きくなれば、なるほど」

「それを裏切るやつが居るから裏社会なんだけどね」


ラビは反対側か。

なら、最後の一人に聞くとしよう。


「ケイン」

「....はい!」

「あなたはどうする? 私と一緒に、裏社会の抗争に首を突っ込む気はある?」

「.......それで、ソフとアリアがとりもどせるんだったら.....やるしかないって、思う!」

「よし」


ケイン、私、ノルスが賛成。

ラビとファイスが反対。

多数決は、私達が有利。

それなら――――私はファイス。

あなたのその浅ましい忠義を、利用させてもらう。


「ファイス。あなたはここで死ぬと私に言ったよね」

「はっ」

「だったら、死ぬ気で守って見せろ。私の前に常に立ちはだかれ――――いいね?」

「この命に代えても、お守りします!」


これで、反対派はラビ一人。

私は、ラビの目を正面から見た。


「........ごめん、ラビ。後顧の憂いも断っておきたいし、あの二人を取り返せないなら私は一生後悔する」

「......忘れないで、ルカ。私はあなたが一番大事。だから――――もし本当に危ない時は、何を捨ててもあなた自身を守って」


ラビが私をカルと呼ばず、前に名乗ったルカと呼んだ。

ふざけていない。

おどけていない。


「......分かったよ」


私は頷く。

一瞬で考えた結果の考えだ。

あらゆる可能性を鑑みて私は、何があろうと私自身を守ると決めた。


「始めよう。大掃除を」

「はっ」

「はい!」

「うん!」

「.....分かった」


私達は、大仕事に手を付ける事になった。

それがどんな結末だろうと、初めて私が失いたくないと思ったものを守るために。

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