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異世界の宇宙に船ごと転移しましたが、お兄ちゃんのいない宇宙には住めないので、お兄ちゃんを探す事にしました!〜男装ブラコン少女の宇宙冒険記〜  作者: 黴男
シーズン9-オストプライム編(前編)

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249/272

247-Chase,Chase,Chase!

シャトルは速度を上げ、トラックの荷台に迫る。

唐突にシャトルの扉が吹っ飛び、そこからワイヤーを掴んだカルが降りてくる。

そのまま荷台に突入しようという目的なのだ。

しかし、それを敵が黙認するはずはない。


「来たかっ!」


トラックの荷台に、武装した毛むくじゃらの男が登り、カルに武器を向けた。


「揺らせ!」


武器がカルを射抜く前に、ワイヤーが大きく揺れ、カルは左右に揺さぶられる。

弾は当たらず、カルはその揺り戻しが到達する前に、ニケを抜いて撃った。

荷台の天井に数発が流れて着弾し、その構造材を歪ませた。

勿論、一発も当てずにチャンスを逃すカルではない。

男の足を撃ち抜き、バランスを崩したところに次の一撃で頭を撃ち、即死させた。


「もっと近くに寄せろ!」

『わかってる!』


ラビの天才的な操縦技術が、トラックとカルの距離を着実に詰めていく。

だが、それを妨害するように、再びトラックから出てきた男が、長い筒をカルに向けて構える。


「グレネードランチャーか! なら!」


直後、爆発が巻き起こる。

だが、その爆発はカルもシャトルも傷付けない。

爆炎を突っ切って、ハニカム状のシールドが姿を現す。

Ve‘zの技術を受けて強化されたシールドは、戦艦のレーザーにすら耐える。

この程度の爆発で破壊されるほど...やわではない。


「死ねッ!」


射線はぶれていない。

シールドが消えるその一瞬の間隙を縫い、カルはニケをフルオートで連射する。

荷台の天井にいた男は、まるで人形舞踊の如く死の舞踊を披露し、荷台から転げ落ちて遥か背後へと置き去りにされた。


『カル、一瞬の加速で追い抜く! その隙に、荷台に!』

「わかった!」


直後、シャトルが速度を一気に上げ、トラックを振り切った。

カルは背中のバックパックからスラスターを噴射しながら飛び降り、そのままトラックの荷台へと降り立つ。


「よし、これで...」

『カル! 前! 前!』

「何っ!?」


その時。

道路の向こう側に、何かが陣取っていた。

カルが荷台から飛び降りるより早く、それが発砲した。


「がっ...!」

『カル!』

「大丈夫だっ!」


カルはレールガンの直撃を防御していた。

金に飽かせて購入した防具の数々が今、漸く役に立ったのだ。

そして、衝撃に呑まれることなくワイヤーフックを射出、トラックの荷台にしっかりと捕まっていた。

トラックの前面部を吹っ飛ばした何か...大型の移動兵器は、荷台だけを半ば握り潰すようにして掴み、浮上して市街地の上に飛び上がっていた。

カルはその荷台に、ワイヤーを仕舞うことで張り付き、しばらく様子を見る。

振り向けば、ラビ達の乗ったシャトルは、他のシャトルによって包囲されていた。


『ゴメン、私たちはここまでみたい!』

『ご武運を、御主人!』

「わかった!」


カルはこれから先が一人の戦いだと自覚し、荷台をこじ開けようとした。

だが、その時。


「くっ、やっぱり簡単には行かないかッ!」


大型機体が、荷台を大きく揺らし、カルはそこから跳ね飛ばされる。

だが、慌てる時間ではない。

僅かな隙間を縫ってワイヤーフックを機体下部に接続し、巻き上げることで一気に機体の下部へと回り込む。


「墜としてやる...!」


その声色には、確かな怒りが滲んでいた。

カルは、中へと侵入するべく機体をよじ登るのだった。


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