245-悪魔の忠言
レールウェイに乗って向かった先は、「艦船部品」エリアだ。
通過してきた駅の面するエリアには「色街」がある。
流石に足がつくから購入は出来ないけれど、どういうものがあるのか見ておくくらいはしたい。
ここで販売されているものは、そのまま海賊が使ってくる可能性のあるものだ。
とりあえず、私は適当な店舗に入る。
『何かお探しですか?』
「特定のものを探しているわけではないな」
『そうですか』
ここのアンドロイド――――いや、ここに限った話ではないけれど、ブラックマーケットでも店員は基本的に物腰が柔らかい。
信用商売なのは裏も表も変わらないという事だろうか?
「.....」
売ってるものは基本的に表と変わらないものの、表では見ないメーカー品や、海軍の横流し品等も見る。
驚くべきは、外国の製品もあるって事。
ヴァンデッタ帝国やビージアイナ帝国のような、敵対する国家の製品もある。
成程、あの時引っぺがされた武装が、こうやってマーケットに流れているんだね。
「お客様、それに興味がおありで?」
その時、背後から声をかけられる。
振り向くと、糸目の男が立っていた。
「誰だ?」
「初めまして、カル様」
「......知っているのか、俺を」
この仮面を知っている人間は、今の時点でもかなり限られる。
十中八九、敵か――――
「ええ、私はカナード様の部下です。あなたを探すのに少々時間をかけましたが――――カナード様からの伝言をお伝えします」
「カナードの......」
「”仲間が狙われているよ、それから、新兵器のプロトタイプをまた送っておいたから使ってね”....だそうです」
「そうか」
教えてくれてありがとう――――そう思ったけど、ここでじっとしているわけにはいかないか。
とはいえ、カナードには伝えることがある。
「カナードに伝言は出来るのか?」
「? .....ええ、はい」
「うちの船を宣伝に使うなら、それなりの額を請求するぞ....って言っておけ」
「はい」
私は身を翻し、レールウェイ駅を目指す。
だがその時、肩を叩かれる。
「なんだ?」
「地上を目指すのでしたら、あちらの建物から上に上がれますよ、地上からは移動は楽でしょう?」
「....助かる」
こいつの言う事を信用し過ぎるのも駄目だけど、今はなるべく早く上に上がりたい。
私は教えてもらったビルの非常階段を昇って屋上へ上がり、そこにあったエレベーターを使って地上へ上がる。
「何もないと良いんだけど....」
地上へ上がると同時に、携帯端末がネットワークに再接続される。
それと同時に、メッセージが複数舞い込んできた。
「これは....!」
『ラビ:今どこ 部屋が襲われてる!』
というメッセージが目に入ってくる。
私は急いでその辺のタクシーシャトルを捕まえ、ホテルまで急行させるのだった。
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