242-地下都市
あの酒場の隣にあったバーにて。
私はマスターに話を通し、地下への入り口を教えてもらった。
お手洗いの反対側の、「STAFF ONLY」の扉の奥。
「ここか」
倉庫のダストシュートを滑り降りる。
その先にあったスペースの端から、長い階段に出た。
そこを少しずつ降りていくと、遠くから喧騒が聞こえてきた。
「!」
階段の果てが来た。
私の目の前にある鉄扉を開ければそれで地下へと辿り着く。
鉄扉にはナンバーロックが掛けられているが、マスターからそれを教わっている私はそれを突破し、地下へと足を踏み入れた。
「う.....」
空気が一気に悪くなったのを、私は肌で感じた。
といっても、今の装備に隙間は無いので、あくまで感覚というだけの話だ。
実際、地下だろうし換気は充分ではないはずだ。
「凄い....」
私が出た場所は、地下都市の天井付近。
背の高いビルの屋上に当たる部分だ。
そこから、地下都市が一望できた。
金属の外殻がどこまでも広がり、ところどころに巨大な支柱が建っている。
その柱の間を埋めるように、ビル群が立ち並んでいた。
「降りないとな」
階下に降りた私は、カードで賭けをしているらしい二人組とばったり会った。
二人は、私に対して適当に挨拶をしつつ、カードから目を離さない。
慣れっこなのだろうか?
「オイ! 何ぶつけてんだゴルァ!!」
「あ? やんのかゴルァ!!!」
下に降りると、早速喧嘩が始まっていた。
ただし、地上とはずいぶん様相が違った。
相手の一人が当然のように銃を抜き、もう一人の利き腕を撃ったのだ。
「っづあ!」
「へっ、調子に乗るからだ」
すぐに相手は拘束され、財布を奪われて転がされた。
男たちは、何事もなかったかのように去っていく。
「.....おい」
「?」
私も立ち去ろうとしたのだが、その時、倒れた男が立ち上がった。
「見せもんじゃねえぞ!!」
「なるほど、ここではそれがルールなんだな」
利き腕と逆の腕で銃を撃とうとする男を、私はニケの連射で素早く仕留めた。
治安も相応に悪いみたいだし、何人殺しても問題にはならないんだろうな....
カルセールの出力はここで使うには強すぎるし、なるべくニケで仕留めよう。
私は男の死体を放置して、地下都市のメインストリートへ向けて歩き出した。
面白いと感じたら、感想を書いていってください!
出来れば、ブクマや高評価などもお願いします。
レビューなどは、書きたいと思ったら書いてくださるととても嬉しいです。
どのような感想・レビューでもお待ちしております!
↓小説家になろう 勝手にランキング投票お願いします。