237-ホテル
三日後。
私達は、オルトスプライムに降下した。
申請が受諾され、軌道エレベーターではなく、艦艇に乗ったまま直接惑星に降下できる許可を得たのである。
アドアステラは大気圏突破と同時に減速し、宇宙港のうちの一つに船を下ろす。
エンフォースの専用スペースにアドアステラを着艦させ、みんなでシャトルに乗って、ホテルに向かう。
「すごーい!」
「直ぐに出発するぞ」
プール付き、大きなお風呂もある。
そんな部屋だけど、仮拠点に過ぎない。
数日過ごすだけだしね。
「水着も買おう、今度は本物の海に行くかもしれないからな」
「任せて! カワイイのバッチリ揃えるから!」
服飾店エリアに向かうラビが、ビシッと敬礼して見せた。
ラビに任せるのは不安なので、あとでアリアにブレーキ役を依頼しておこう。
「部屋が多いね」
「あっ、この部屋私とカルで使うから!」
「皆の意見も聞かないと駄目だよ」
早速独断専行するラビを諌める私だったけれど、最終的にはラビとの二人部屋になってしまった。
ソフとアリアも同じ部屋に二人、ケインとノルスとファイスも同室に三人だったけど、ファイスは中央のソファで寝ると言い出した。
全部の部屋に繋がっている以上、真っ先に気付けるからだろう。
「ホテルから無料のシャトルを三輌借りてるから、荷物を置いたらそれぞれで出発にしよう、高い買い物をする際は、必ず私かラビに相談する事。いいね?」
「「「「「了解!」」」」」
軽装になった私たちは、そのままホテルの地下へと降りる。
ホテルの地下には、道路と直通の駐車場があり、そこから借りたシャトルに各々で乗り込む。
「じゃ、後でね!」
「ああ」
私はシャトルに乗り込んで、コンパネを操作する。
目的地は台所用品区画。
隣にソフが座る。
「後ろでなくていいのか?」
「はい.....旦那様と一緒にいたいです」
「そうか」
ドアが閉まると同時に、シャトルのフロートシステムが作動して地面から浮き上がる。
「きゃあっ!!」
「大丈夫だ、そのベルトをしっかり締めていればな」
「は、はい!」
シャトルはそのまま道路に抜け、ホテルの地下から一般道に入り込む。
どうやって制御しているかは分からないけれど、他のシャトルや輸送船との間隔を保ちながら、シャトルは一般道から空中へと飛び上がり、一挙に加速する。
流石にシャトルの慣性制御は大したことが無いので、Gはそこまでじゃないけど加速度がスゴイ。
「っっ...!」
「大丈夫か?」
「....大丈夫です!」
私は不安になって聞いたけれど、ソフは毅然としてそう答えた。
ふと窓から下を見下ろすと、広大なビル群が刻々と過ぎ去っていくのが見えた。
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