230-オストプライム到着
こうして、私たちの船はオスト星系へと到着した。
ゲートをくぐると同時に、アドアステラは様々な船からスキャンをかけられる。
『スキャニングされています、どうされますか?』
「直ぐにワープする」
『了解です、目的地は?』
「オストプライム第六ビジネスステーションへ」
『分かりました』
アドアステラは宇宙を滑り出し、ワープを開始する。
オスト星系は非常に盛んな星系であり、出入りする船はスキャンされるのかもしれない。
でも、メンドイので振り切る。
仮に疑われたとしても、プラチナランクの権限で何とかする。
スキャンされたから逃げた、で充分な理由だしね。
「オストプライムでは何をするのですか?」
経理を担当するソフは、早速目的が気になるらしい。
私はそれに対して、前々から考えていたことを話す。
「アリアはミサイル係だけど、前のソフと同じでまだやりたい事がない状態だよね」
「え...は、はい!」
アリアは慌てて返事をする。
私はそんなアリアを微笑ましく思い、同時に続ける。
「それから、お金も貯まってきたし...シトリンをアップグレードしようと思う」
『アップグレード、ですか?』
シトリンは型落ち品で、しかも古過ぎて修理も出来ない。
だからこそ、お金をかけてでも改良・修理を行えれば良いんだけど...
「オスト星系はペリメーター星系と同じように栄えていると聞きます、代替パーツを見つけることもできるでしょうね」
「うん、その予定」
ノルスが頷いてくれた。
オスト星系でやることは、稼業・遊興・休養・強化の四つ。
それさえ間違えなければ全く問題なく過ごせる筈だ。
「まずは船をどこに停めるかだけど...」
私は呟く。
まあ、適当な商業ハブでいいか。
あそこは駐船料金さえ支払えば船を停めておける。
まずはソフの作ったご飯でも食べながら、皆で作戦会議にしよう。
『ワープ終了まで、残り44秒』
「...」
アドアステラのワープはとても速い。
グーンズフリートと共に旅をして、それが実によくわかった。
普段やらないことをやると、思いもしないことを学べる。
知見は力になる。
面白い...よね。
「私も、新しいことに挑戦してみるべきか...」
お兄ちゃんに会った時、前と変わっていなかったら...
もしかしたらお兄ちゃんは、私に失望するかもしれない。
だから、もっと新しいことをしよう。
学んで大きくなって、お兄ちゃんに喜んでもらうんだ。
お兄ちゃんに認めてもらうんだ。
お兄ちゃんの笑顔を太陽の光のように浴びて、それで...ずっと一緒にいるために。
『ワープアウトします』
アドアステラは通常空間へと出る。
オストプライムの周回軌道上のハブだけあり、凄まじい数の船がそこらじゅうに浮いている。
私はアドアステラの舵を握り、ステーションへ向けて加速を始める。
すぐにスキャンが集中するが、無視する。
「こちらエンフォース所属、アドアステラ。そちらのステーションに入港したいのだが」
『順番待機列に並んでください』
「わかった」
整理券を受け取った私たちは、入港を待つ船の群れの中に入った。
意図した訳では無いけれど、船が私たちの船をスキャン波から守ってくれる。
さあ、順番待ちが終わったら上陸だ。
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