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異世界の宇宙に船ごと転移しましたが、お兄ちゃんのいない宇宙には住めないので、お兄ちゃんを探す事にしました!〜男装ブラコン少女の宇宙冒険記〜  作者: 黴男
シーズン8.5-エミドの少女と旅のアレコレ

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224-ゲート前戦闘

『いきなりで悪いが、パーラのゲートを海賊が張っているらしい』


ワープ中、いきなりそんな事を言われた私は目を見開く。

でも、それくらい星系軍でどうにかしてほしいもんだけど。


「星系軍でどうにかならないのか?」

『規模が大きすぎるんだよ、まるで我々が通る事を知っていたようにな』

「ああ....まあ、海賊にとって俺たちは、無視できない存在になったからな」


主力艦を吹っ飛ばしたのは私で、表向きはその功績をユルト達が受け取っている。

復讐者たちは主力艦を吹っ飛ばしたアドアステラを、海賊たちは自分たちを貶めたグーンズフリートを憎悪しているはずだ。


「で、どうする」

『我々が矢面に立つ、君たちの船は十分な火力を持っているのだから、後衛に専念してほしいな』

「前は任せろ、と言いたげだな」

『私は君の役に立ちたいだけだよ』


底が見えないな....

アプレンティス傭兵なんだから、もう少し偉そうに振舞ってもいいと思うんだけど。


「俺はもう少し偉ぶる方が好みなんだが....」

『っ...! 君はいつも、私の心を揺さぶるね』

「気は使わないでくれ、俺はあくまでプラチナ傭兵。アプレンティス傭兵のあなたに従う」

『ありがとう、早くアプレンティス傭兵になってくれ、対等の立場で君と接したい』


ユルトがそれだけ言うと、通信は向こうから切れた。

一体何なんだ....


「聞いたな、皆」

「はい、既に戦闘準備は終わってます」

「僕、ソフを呼んでくる!」

「ああ!」


ワープ終了まで残り十五分程。

ユルトから送られてきたデータによれば、ゲート前に居るのはフリゲート45隻、駆逐艦31隻、巡洋艦11隻らしい。


「小さいのが多くて面倒だな....ケインに頑張ってもらわないと」


前面のパルスレーザーとドローンで纏めて殲滅する。

ラビは出さない。


『ワープアウトまで、残り15秒』

「レーザー・スーパーチャージャー起動!」

「レーザー・スーパーチャージャー正常に起動、伝送管とリンクします」


ファイスが復唱する。

ちなみにレーザー・スーパーチャージャーとは、お馴染み博士と化したカナードから送られてきたものだ。


『聞いたよ、主力艦を落としたんだってね。僕の方の商売もうなぎ上りさ。いい宣伝になったから、お礼にこれを送っておくよ』


っていうメッセージと共に、一昨日届いた。

艦内工場で組み立てて、今は機関室に設置されている。

アドアステラも、新しい装備をいくつか積み込んであるので、以前より砲撃戦・格闘戦に特化している。


『ワープ終了、戦闘地域に侵入します。オーバーレイを戦闘モードに切り替え』

「スラスターモードを戦闘モードに切り替えます!」


私が視認するより先に、巡洋艦全11隻のロックオンが終了する。

とんでもない速さだ。

光学センサーなんだけど、改良でさらに性能が上がった。


「シトリン、全艦行けるか?」

『可能です、火力は分散しますが....』

「SHMを起動する」


私は即座に判断を下す。

どうせ動かなくていいんだから、これを使ってもいいと思う。


「SHM、正常に起動しました。サブワープドライブに推進出力を切り替え」


ストロングホールドモジュール。

これを起動すると、アドアステラの質量がとんでもない事になり、サブワープドライブを使っても高速移動や長距離ワープが不可能になる。

.......というか、質量が大きくなりすぎて惑星表面でも使えない。


「撃て!」


アドアステラから伸びた光は、巡洋艦のシールドを貫通して装甲を破損――――させることなく、そのまま貫いた。


「.......えっ?」


威力上がり過ぎじゃない?

これって、接触部分が破壊されてるわけじゃなくて、蒸発してるって事だよね.....

こわ~....


『敵巡洋艦隊、全滅を確認』

「続けて駆逐艦隊を撃つ! ケイン、ドローン......ハウンド全機発艦!」


ハウンドは打撃型のドローンで、性能改修によってシールドくらいなら簡単にぶち抜けるようになった。

流石にスペースが足りないので、昔使ってたドローンのいくつかは分解して新しいドローンへと転用したり、保管してある。


『ハハハッ、早速派手だな、カル! 私達もフリゲート艦隊を抑える!』

「任せる! 駆逐艦隊ターゲットロック開始! アリア! ミサイルランチャーに「Jav-112」を装填!」

「ハイ!」


Javシリーズは、めちゃくちゃ速いスマートミサイルだ。

その代わり威力は微妙なんだけど、強化されたミサイルランチャーの速射力なら、駆逐艦の推進力を無視して連撃を浴びせ掛けられる。


『敵駆逐艦、回避機動に移行します』

「威嚇射撃で動きを誘導するんだ」

『はい』


アドアステラの砲撃は、冷却に時間をかけるものの、ピーク時は秒間六発撃てる。

それを利用して、射線で敵を追い詰める。


『敵艦隊、ワープアウトしていきます』

「ん? 逃げるのか....まあいい、深追いはしない」

『了解です、戦闘終了。オーバーレイを航行モードに切り替えます』


逃げるくらいなら最初から襲わなければいいのに....とは思ったけれど、逃がしたのはちょっとまずったかな?

この船、ちゃんと対策されると普通に押し負ける。

主力艦相手にも(物理的に)押し負けるしね。


「ユルト、大丈夫か?」

『ああ、問題ない。そちらは?』

「無事でないように見えるか?」

『はは、相変わらずだな、君は....』


まだまだ旅程は長い。

こんなところで止まってられないからね。

私達はゲートへと接近を始めるのであった。

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