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異世界の宇宙に船ごと転移しましたが、お兄ちゃんのいない宇宙には住めないので、お兄ちゃんを探す事にしました!〜男装ブラコン少女の宇宙冒険記〜  作者: 黴男
シーズン1-ブライトプライム編

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022-亜高速

アドアステラが豪快にミサイルを放つ。

ミサイルはC弾頭......高速追尾弾頭のために、コルベットの超加速を振り切って直撃する。

そして、


『クソォ、何でだ! 速度が上がらねぇ...!』


ミサイルの爆発によって内部から噴き出した宇宙粒子により、コルベットが動きを封じられた。

そこにアドアステラの主砲が向けられる。


「では、アデュー」

『嫌だああああ!』


カルが無言で指示を飛ばし、アリアがそれを受けて射撃する。

一斉射撃を受け、コルベットはあえなく吹き飛ぶ。


『こいつっ!』

『クソ、速すぎて狙えねえ!』

「旧式のトラッキングコンピュータか、生き残れたら買い換えるんだな」


カルはそう口にする。

聞こえていないのにお兄ちゃんエミュを起動しているカルに、ファイスとノルスは一瞬目を合わせ、肩を竦めて黙り込んだ。


『なんだこいつら!』

「では、アデュー」


パラノイアに捕まえられたフリゲートが、オルトロスとブリッツシージに群がられ沈む。


「全機、船団側に展開! ケイン、赤く点滅してる船の上を押せ!」

「はーい!」


ドローンは追撃を受ける前に敵艦の背後に回り込み、船団を庇うようにしながら射撃を再開する。

ここの海賊は流石に手強く、ドローンになんとかダメージを負わせている。

だが、カルにとっては計算済みだ。


「戻しましたぁ!」

「よし」


艦内部に格納されたドローンは即座に高速修理を受け、万全の状態でまた宇宙に飛び出す。

そうしたヒットアンドアウェイにより、海賊は即座に不利な状況に陥った。


「悪いが、高機動戦はこちらの方が上手なのでな!」


逃げようとしたコルベットを真っ向から追い抜いたアドアステラは、反転してパルスレーザーの射角にコルベットを入れた。


『ふざけんなっ、クルーザークラスでこの加速なんて...』

「では、アデュー」


先手として放たれた主砲が、直撃はしないもののコルベットのシールドを焼き、そこに近距離の格闘戦用の変調がなされた狭範囲パルスレーザーが突き刺さる形で、コルベットは穴だらけの金属塊と化した。

左右からフリゲート1隻とコルベット3隻が追ってくる。

シールドを抜けそうなので、近距離の格闘戦で仕留める気だろう。


「甘い、甘すぎるな!」


アドアステラは速度を上げ、バレルロールしながら急旋回を見せる。

それについていこうとして速度を落としたコルベット3隻に、副砲が砲身を合わせる。


「......まずは一撃!」

『くそ...なんとか耐えたか、これなら!』

「アリア、ミサイルを!」

「あっ、は、はい!」


カルの指示で放たれたミサイルは、スラスターで変則的な旋回を見せ、未だ速度の出ていないコルベット組に直撃し、炎の華を咲かせる。


『ぐあああああ――――――』

『くそっ、俺に本気を出させたな!』


フリゲート艦が最大速度でアドアステラに迫るものの、カルの目はセンサーしか見ていなかった。


「最大速度...しかしながら、機関にかなり負担が掛かっている様子。更なる絶望を以って、蹂躙して見せよう!」


そう言いながら、カルはWDAをフリゲートに対して使用する。

フリゲート艦は停止し、直後激しく膨張する。


『な、なんでエンジンが! クソ、助け――――――』

「アデューっと」


膨張に耐えられなくなった艦体は崩壊し、粉々になるフリゲート。

何故WDAが機関に影響を与えるのか、技術者ではないカルは知らないが、作戦としては成功であった。


「だいぶ離れたな...」


カルはアドアステラと本体の距離が離れたことを憂う。

だが直ぐに、反転操舵を行い、CJD......ではなく、その横のMSDと書かれたボタンをタップした。


「Micro Sublight Drive...亜光速推進機関とはよく言ったものだな!」


ワープスピードよりだいぶ遅い、しかし速い速度でアドアステラが加速を始める。

ほんの6秒ほどで、アドアステラは艦隊の眼前へと戻る。


『ふざけんな、どんな加速だよ!』

『フリゲート並みの加速だぞ!?』

「フフフ、恐れるな、恐れなければ勝利はあるかもしれないぞ!」


アドアステラはスラスターを全開にして減速し、艦隊の陣中に飛び込み撹乱する。

お兄ちゃんの演技にリソースを割り振りながらも、流歌は仮面の下で冷静に思考を巡らせ続けていた。



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