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異世界の宇宙に船ごと転移しましたが、お兄ちゃんのいない宇宙には住めないので、お兄ちゃんを探す事にしました!〜男装ブラコン少女の宇宙冒険記〜  作者: 黴男
シーズン7-Ve’z&エミド調査編

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199-リザルト/回顧録

そういうわけで、私たちは得た情報のほぼ全てを依頼もとに提供した。

”ほぼ”というのは、私が得させられた情報の中に情報の暗号化を解く手段があったからであり、伝えたらまずそうな情報を除去したからだ。

勿論それらは、こちらで利用するのではなく消去した。

上位者を気取るつもりはないけれど、ちょっといろいろ各国の黒い過去がね.....


「それで、貰ってきたのですか?」

「そうだ」


今回の探索に使ったパラライシスリンクとアナライザーは頂いた。

一定額以上の報酬は出せないようで、しょうがないので回収した遺物の中で好きなものを三つと、パラライシスリンクとアナライザーを貰った。


「それで、遺物とは?」

「色々かな。使い道も色々あるよ」


Ve’z人が元々使っていた遺物三個。

貰ってきた知識の中にあるものだけを選んだ。

一つ目は、ポータブル遮蔽装置。

アドアステラそのものを隠すことはできないけれど、私とその周囲を光学・熱力学的に隠蔽できる装置。

これも精神共鳴がないと扱えない。

二つ目は移動用の鉤爪。

発射して何かに突き刺さると同時に固定されて、私くらいの体重の人間ならそのまま引き上げられるものだ。

大きすぎるから、腰に付けての運用になると思う。

最後は、Ve’z関連の設計図の封入装置。

まあ、便利だけど中に入ってるものは、他に提出した設計図に比べると対したものがない。


「殆ど私のためでもあるけど......」

「いいのでは?」

「かもね」


少なくとも、設計図の中には仲間に使えそうなものもあるかもしれない。

報酬は当初の三倍まで膨れ上がり、かつ艦隊の護衛依頼で得た報酬も多い。

纏めてみんなに分配する。


「ただ、パラライシスリンクは一旦畳んで仕舞うよ」

「でしょうね....」


ノルスはパラライシスリンクの使い手だから、納得いかない部分もあるんだろうけれど....

パルスレーザーの枠を一つ奪ってしまっている以上、それがあまり効果のない相手がいるVe’z領域外では使えないのだ。


「ただ、ノルスだけが使えるようにはできるかも」

「本当ですか?」

「実は今回....」


私は使わなかった設計図データのコピーを見せた。

一度しか使えないが、遺跡探索用の二脚(三脚)大型重機のものだ。


「これを作って改造したら、ノルスだけの戦闘機械に出来るかも」

「私....だけの....」

「ファイスに頼んでおくから」

「....はい」


ノルスとファイスはなぜか仲があまりよくない。

だけど、いつかきっと仲良くなる日が来ると思ってる。


「ノルスはシトリンには出来ない精神共鳴系の装置が扱えるから、Ve’z遺物を互換性なしで扱えるはずだよ.....だから、そういう武器として扱うなら最適だと思う」

「そうですね」


幸いお金はたくさんある。

次の星系で色々試してみよう。


「じゃ、ノルス...後は任せた」

「どちらへ?」

「流動食を買わないと。ソフはまだ消化器官がまともに動かないからな」

「成程....では、お供させていただいても?」

「構わないが....いいのか?」

「偶には.....ですね」

「ああ、成程な」


私とノルスは研究室を出て、共に歩き出すのだった。







.......私は、他の皆と同じだったが、今一つ役に立つものではなかった。

最初はこの脳髄と高き処理能力が私を形にしてくれると思っていた。

だが、その役割はすぐに、御主人が連れて来たシトリンというAIに取って代わられた。

何でもできる御主人。

強き肉体と、それを操る術を持つファイス殿。

私と同じく非力だが、私よりも御主人の種族に近いアリア殿。

最初は違ったが、今は戦闘用のスーツで御主人に貢献しているケイン殿。

そして、御主人と同じ傭兵であり、全員の役割全てをこなせるラビ殿。

彼ら、彼女らの代わりに、私はなれない。

私など不要なのだと、私は勘違いしていた。

だが違ったのだ。

御主人は我々の誰一人として、使えないからと言って見捨てる気はないのだ。

御主人を置いて逃げる判断をした我々を、御主人は責めなかった。

ラビ殿が迎えに行ったとはいえ、である。

だからこそ....否、これはあまりに飛躍した結論かもしれない。

しかし。


「アリア殿に情愛在り、ケイン殿に友情あり、ファイス殿に忠誠在り、ラビ殿に愛情在り。ならば私は――――誠実を持って貴方に尽くします」


ヒトという生物が抱く感情は多岐にして非合理的。

もしその非合理を愛するのならば、私はあなたにこの身を以て仕えたい。

そう思ったのであった。


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