178-ハダウガゴ奪還戦-アステロイドベース内部戦(前編)
基地の外壁を砲撃でぶち抜いたアドアステラは、そこに接舷する。
そして、カルとファイス、ケインが乗り込んだ。
ラビは艦に残り、艦の制御を引き続き行う。
「ケイン、スーツの調子はどうだ?」
「大丈夫!」
ケインのスーツは全身を覆っており、ヘルメットにはV字のバイザーが付いている。
そこから周囲を見渡すケイン。
「シトリン、情報を!」
『そちらは、敵要塞外周部、動力源より凡そ十五分程度で辿り付けるはずです』
「他に突入隊は?」
『やっほー、カル。王国騎士団から小型艇が複数飛び出したよ。突入隊は直接ドックに突入するみたいだね』
「了解......それから、ケイン。時間切れだ」
「.....うん!」
廊下の端から、銃器を構えた兵士たちが駆けてくる。
その武器が向けられる瞬間、カルは手甲からシールドを展開してレーザー弾を弾き飛ばす。
そして、ケインが右腕を構える。
「ごしゅじんさま、退いて!」
「ああ」
ケインが右腕を構える。
そして、左腕で右腕に取り付けられたトリガーを引いた。
カルが退いた直後、兵士たちは絶叫する。
「ぎゃああああああああああああっ!?」
兵士は煙を上げて倒れ、レーザーライフルが床に転がった。
ケインは右腕を下げる。
「これ、凄いね」
「ああ」
ケインの新装備とは、放射状に伝導層を形成して電撃を放つ装備である。
電子を過剰放出する特性から、電磁パルス放射器の側面も持つ。
「行くぞ」
「うん!」
ファイスを先頭に、カルとケインは動力室向けて駆け出すのであった。
その頃、ドックでは。
王国騎士団が戦闘艇に乗って突入していた。
戦闘艇の陸上兵器がドック内にいる人間たちを殲滅し、戦闘艇から降りた騎士団員が、ライフルで攻撃者を排除していた。
『アドアステラは、動力室にほど近い場所に接舷し乗り込んだ。お前たちはカルの退路を確保せよ』
「はっ!」
40人を超える精鋭が、コンバットスーツの背に負ったスラスターで低重力空間のドック内で縦横無尽の戦闘を繰り広げている。
「敵に増援を呼ばせろ! 戦力をこちらに集中させるのだ!」
「了解!」
ドック内には艦艇がほとんどないために遮蔽物はなく、ろくに武装していない常備戦力は即座に壊滅させられた。
だが、直ぐにフル武装の兵士たちがドックに入ってくる。
戦闘艇からの援護射撃もあまり意味はなく、騎士団員達は少しずつ数を減らしていく。
「どうすれば......」
『ちょーっと待った! 俺たちも混ぜてくれよ!』
その時。
重装甲の輸送艦がドックに飛び込んできた。
それはガントリー土台を薙ぎ倒しながら着艦し、中から武装した傭兵たちが出てくる。
「俺たちも手伝うぜ! 報酬は貰うけどな!」
「ヒャッハー正規軍が相手か!」
「懸賞金がないのが残念だけどな......」
「命がけでやっちまえ!!」
一人がロケットランチャーを構えて発射する。
真っすぐに飛んだロケットは、武装兵の真ん中に着弾して爆発する。
「総員、陣形を立て直せ! 我々は傭兵と協力して殲滅作戦を行う! 傭兵たち、チャンネルをBCZ-112に入れろ、我々はこれより動力室までの道を開く!」
「おっしゃあ! 稼ぎ時だ!」
「オオオオオオッ!!!」
傭兵と騎士団員は共に、奥を目指して突き進むのであった。
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