167-道中(前編)
私たちは旅を続け、アッカネンへとジャンプした。
クロスも一緒だけれど、やはり.....
「こうなってるよな、そりゃ」
アッカネンのシンバゲート前には、あの地球儀のようなワープ妨害フィールドが設置されていた。
ワープブースターを持つ私たちならともかく、ルークスには難しい。
そして、更に面倒くさいことに。
『敵影、8。巡洋艦3、駆逐艦4、フリゲート1』
『どうする? ルークスは推進力は高いが防御力は低い。ここを中央突破するのは――――』
「いいや、問題ない。そこで見ていろ」
間髪入れずにフォートモジュールを起動し、長距離用レーザークリスタルに換装、直ぐに放つ。
アドアステラの連射速度なら、一隻10秒も掛からない。
「クロス、前進を開始しろ。――――すぐに追いつく」
『ああ』
三十秒で巡洋艦を排除し、敵の攻撃能力が低下する。
そこでフォートモジュールを解除し、
「シトリン、ECM! フリゲートはいい、駆逐艦を抑えろ!」
『はい』
「今だ、ファイス! SWD起動! 妨害フィールドを抜けるぞ!」
「はっ!」
アドアステラは速度を上げ、ルークスを追い抜く。
「トラクタービーム接続、クロス、引っ張るぞ。慣性制御をアドアステラに同期しろ!」
『お前は注文が多いな。しかし――――よかろう』
アドアステラからトラクタービームをルークスに繋ぎ、牽引する形でフィールドを離脱する。
『慣性制御を切ったぞ、そちらにワープドライブを共鳴させる』
「分かった、ワープドライブ起動!」
アドアステラとルークスは再度ワープに入るが、数時間もしないうちにまた引き戻される。
妨害フィールドと、敵の待ち伏せだ。
『敵影感知、総数16、戦艦3、駆逐艦10、フリゲート3』
『大きなのは任せろ。お前は雑魚をやれ』
ルークスが直ぐに飛び出していく。
ルークスは中型サイズの艦だが、それに装備されている実体弾タレットはシールドを容易に貫き、戦艦の装甲にも損傷を与えられる。
炸薬加速でこの威力、一体どれほどの技術なのか想像もつかない。
「シトリン、敵の脅威度は分かるか?」
『王国側からのデータベースと照合します。アドアステラへの脅威度が高い艦を1~13、ルークスへの脅威度が高い艦をa~πでHUDに同期します』
うーん。
確かに、アドアステラへの脅威度は低いが、ルークスへの脅威度が高い船ばかりだ。
それを狙い撃ちにしていく。
とっとと逃げる関係上、ドローンやラビは出撃させられない。
手数はそこまで多くないけれど、駆逐艦なら2秒も掛からない。
つまり――――二十秒で終わらせられる。
「もう終わったぞ」
『ああ、こちらもだ』
戦艦二隻を平らげたらしいルークスが、射線上から退いていく。
後は譲る、との事だろう。
「撃て」
『はい』
一撃でシールドを貫通、次の一射で装甲を貫通、更に一発で内部を破壊、最後の一撃で爆散させる。
アドアステラでなければ出来ない程の精密射撃だ。
パワーコアを破壊すれば、伝導エネルギーに誘爆して吹き飛ぶ....らしい。
アドアステラとは構造が違うみたい。
「行くぞ」
『ああ』
アドアステラとルークスは妨害フィールドを抜け、再度ワープする。
そして、クロコムのゲートを目指すのであった。
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