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異世界の宇宙に船ごと転移しましたが、お兄ちゃんのいない宇宙には住めないので、お兄ちゃんを探す事にしました!〜男装ブラコン少女の宇宙冒険記〜  作者: 黴男
シーズン6-ビージアイナ戦線編

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165-急報

ガザツ星系の防衛戦を経た私たちは、しばしの間の寛ぎを得ていた。

勿論、今後の作戦にまで動員されることはない。

ただし、寛いでいるのは恐らく皆だけであり、私は――――


『その船はどこで得たのだ?』

「話す義理はないな」

『ふむ、仕方がない』


めっちゃ偉そうなゴールド傭兵のクロスと、ビデオ会話で話していた。

あの後、通信が来たと思えばクロスだったので、皆を刺激しないよう艦長室で行う事にしたのだ。

だけど、飛んでくるのは質問ばかり。

たまにはこっちから返してやろうかな。


「お前こそ、その船はどこのものなんだ?」

『答えてやろう。アリディア・シップメーカー製のプリタイプ系列を俺が改造した”ルークス”だ』

「どんな改造かもわかったものではないな」


違法改造によって強化されているのかもしれない。

そう私が主張すると、彼は肩を竦めた。

これ以上答える義理はないと言った様子だ。


『それよりも、圧倒的な力だな。今頃は帝国側のブラックリスト入りであるぞ?』

「構わない」

『ふむ、帝国のスパイという訳ではないのだな』

「疑うようなら、自分脳みそをまず疑うんだな」


この状況で帝国のスパイを疑ってたのか....

私はあきれ果てた。

何様なのかというくらいの傲慢さだ。


『フッ、中々面白い冗談だ』

「それで? 俺の休憩時間を奪って何がしたかったんだ?」

『いやなに、新進気鋭のゴールド傭兵にご挨拶という訳だ』


このエラソーな態度なら、少しは納得がいくけれど....

それでも、目的に比べて態度が弱い。

クロスという名前も偽名臭いし。


「お前とはいずれまた会いそうだな」

『まあ、家に帰ったら招待でもしてやろう』

「御免被る」


私はそう言うと、通信を切った。

クロスは切る直前に、目を伏せて笑った。

変な奴。


「はぁ」


私はため息をつく。

だが、その時背後で扉の開く音がした。

すぐに素に戻って、立ち上がる。


「ノルス」

「お邪魔でしたか?」

「いいや? 何か用か?」

「はい」


ノルスは私に、タブレットを渡す。

タブレットを受け取った私は、それに目を通す。

技術屋気質のファイスの書くレポートではなく、数学的かつ合理的に説明がなされた文体で、アドアステラのスラスターの金属疲労について書かれた報告書だった。


「ほう、それで?」

「いつでもいいので、スラスターの交換作業を行いたいのですが....」

「ああ、予算は俺が出す」

「ありがとうございます」


ちょっと高くつくからね。

ノルスはただでさえ、エナジーバーやエナジードリンクの消費が多くて、尚且つ教材にお金を使っている。

ここは保護者である私が財布の紐を緩めるべきだろう。


『マスター、お時間よろしいですか?』


その時。

つけたままだったディスプレイにポップアップが出た。

そこには、シトリンの名前が表示されている。


「どうした?」

『リドラ上級士官から緊急のメールが届いております』


私はディスプレイに向き直り、メールを一読する。

そして、かなり拙い事になっている事を知った。


「......悪い、ノルス。交換は相当先になりそうだ」

「はい」


ハダウガゴ星系が敵の奇襲に遭っている。

このままでは防御線を突破されかねないが、軍の再編成に時間が掛かっているようだ。

傭兵に招集が掛かるのは、軍が動き始める二日後以降....


『話は聞いたな?』

「なんでお前まで」


その時、通信が届く。

受けると、クロスの顔が映った。

なぜ彼がこのことを知っているのか分からないけど.....


『道中は危険だろう、まあ行くぞ。俺は先にアッカネンゲート前で待機している』

「......勝手に決めるな」

『フン』


通信は切れた。

ああもう、仕方ないか。


「全員、ブリッジに集合せよ。これよりアドアステラは緊急発進の後、ハダウガゴ星系へと急行する!」


私は艦内放送でそう呼び掛けるのであった。


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