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異世界の宇宙に船ごと転移しましたが、お兄ちゃんのいない宇宙には住めないので、お兄ちゃんを探す事にしました!〜男装ブラコン少女の宇宙冒険記〜  作者: 黴男
シーズン6-ビージアイナ戦線編

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164-ガザツ星系防衛戦-後編

アドアステラは強かった。

だが、その強さは――――まさに独善だった。

傭兵の稼ぎなど知らず。

王国軍の事情など知らず。


『オイ....何なんだよ、これ.....』

『俺らの出番がないんだが....』


アドアステラは、秒間五発の速度でレーザー砲を連射し、砲身が加熱すると同時に冷却を行い、ミサイル攻撃に切り替える。

砲撃を躱し、迫ってくる敵に対してはパルスレーザーで対処する。


『あれの周囲にいる限り、稼ぎはないに等しいぞ! 皆、散開し帝国軍を引き付けるのだ!』

『言われなくても、だ!』


アドアステラは、視界内にいる敵しか狙わない。

そして、帝国軍といえども近づけば危険な相手にむざむざ近づくわけではない。

結果として、自然と帝国軍は分散する。

そこに傭兵たちが突撃をかけ、それぞれの持つ兵器で帝国軍の艦と戦闘する。


「戦艦が出張ってくるぞ、推進モードへ切り替え。ファイス、急速冷却開始!」

「はっ!」


そして、フリゲートと駆逐艦の撃滅に焦りを見せた帝国軍が、巡洋艦と戦艦を投入する。

更には、戦闘空母まで出てきた。

アドアステラはシージシステムを切り、その姿を無数のスラスターが露出した形状へと変化させる。

直後、アドアステラは一瞬で光速に達し、帝国の戦艦群のど真ん中へと肉薄した。


『なっ!? ワープ!?』

『いいや、光速で動いただけであろう』


クロスは乗艦をアドアステラの射程外に移動させ、その砲を戦艦に向ける。


『この巡洋戦艦”ルークス”の糧となれ』


六門の砲が、そこから重い実体弾を放つ。

レーザーが飛び交うこの戦場において、実体弾など大したことのない様に思えた。

しかし、それはシールドを貫通し、装甲へと食い込んだ。

直後。

砲弾が爆発し、戦艦は数度の誘爆を経てバラバラになった。


「......ルークスにはあのような力はないが」


クロスは、巡洋艦を吹き飛ばし、戦艦を撃ち貫いて回るアドアステラをちらりと見て呟いた。

たった一隻で、主力艦並みの存在感を発揮している。


「しかし、傭兵たちも弱くはあるまい!」


クロスは別の方向に目を向ける。

そこでは、両翼が砲台化している艦と、魚雷を装備している艦が組んで戦艦と戦っていた。

周囲にいる巡洋艦は、アドアステラから発進したらしい戦闘機が相手取っている。


「くっ、中々手ごわい...!」


ラビは、戦闘機『ホワイトレイヴン』に搭乗している。

結局、様々な戦闘用艦載機に搭乗し、これが一番適していると判断したものである。

巡洋艦を一隻墜とし、ホワイトレイヴンを追ってきた艦載機二機と機動戦を繰り広げる。


『くそっ、何で当たらないんだ!』

『だったら、ミサイルで逃げ場を狭まらせばいい』


ホワイトレイヴンの垂直尾翼付近が開き、そこからフレアが投射される。

疑似的な電子戦兵器であり、ミサイルはそちらをホワイトレイヴンと誤認して軌道を逸らす。


「取った!」


ラビは即座に減速し、加速する二機の背後を取る。

そして、機銃を素早く二秒ずつ連射、前面下部に搭載されたスラスターを一瞬噴射して離脱した。

直後、その場所を対空用のパルスレーザーが掠めていく。

ホワイトレイヴンのシールドを貫けるとも思えないが、ラビの用心もあるのであった。


『現宙域の帝国軍総員に次ぐ! 我々は総戦力の七割を喪失! 一度パーラット星系に後退する!』


そして、戦闘開始から三時間後。

王国側の猛攻により、戦艦群の前衛戦力を完全に喪失した帝国軍は、後退指令を出し始めた。

アドアステラのWDAによって機関を喪失、およびワープを妨害されていた艦以外は戦域から離脱し、王国軍は一時的な勝利を手にしたのであった。


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