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異世界の宇宙に船ごと転移しましたが、お兄ちゃんのいない宇宙には住めないので、お兄ちゃんを探す事にしました!〜男装ブラコン少女の宇宙冒険記〜  作者: 黴男
シーズン5-ショートバケーション編

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145-黒幕打倒

カルは、アラバスの動きをよく観察する。

数度の鍔迫り合いの末、カルはアラバスのある特徴に気づいた。


「脚も義足か」

「ほう? よく気付いたな」


アンバランスな腕を抱えているにも拘らず、アラバスの動きには乱れがない。

それは、脚の力が遥かに強いことに他ならない。

だが、カルは自分が同じ状態になった時を考える。

ロケットランチャーを片手に持って跳躍したりすれば、流石の自分もよろけるだろうと。

ならば、腕と同じく足も改造しているのだろうと、予測したのだ。


「なら――――話は早いなッ!!」

「!」


直後、アラバスは地面を蹴ってカルに肉薄する。

重い音が遅れて響き、アラバスはカルに拳を突き刺すように放った。

カルは拳をぬるりと受け流し、アラバスの顔に後ろ回し蹴りを放って退く。


「チィ、肉弾戦も出来んのかよ」

「海賊狩りなら当然だろ?」

「いーや、ゴールドになりたての傭兵なんざ、ヒョロガリばっかだな」


え? そうなの?

傭兵なんだから、一人で海賊十人くらい倒せるものかと思ってた。

まあでも、よく考えてみれば、アルゴに近接戦なんか無理か....


「だが、決定打に欠けるな!」

「かもね」


私はニケを抜き、アラバスの急所を狙う。

だが、アラバスはそれより先にジャンプで離脱し、そのまま私の方へ飛び掛かってきた。


「そんな豆鉄砲でどうにかなるとでも!?」

「ああ!」


空中で動けないだろうと踏み、カルはアラバスを撃つ。

だが、アラバスはそれを右腕で防ぐ。

アラバスの腕はレーザー弾くらいのエネルギーは軽く弾く金属製であり、それを察したカルは回避行動へと移る。


「オラッ、死ね!」

「断る!」


拳の振り下ろしにより、金属張りの床は衝撃で崩壊する。

カルは足場を失い、よろめく。


「隙あり!」

「――――獣であっても、隙を見せるのは一瞬だけだ」


兄の言葉を胸に、カルは肉薄してきたアラバスの腕の下を潜り、振り抜かれた腕を掴んだ。

そして、あらん限りの力で地面に投げ伏せた。


「があっ!?」

「隙を見せる、というのは――――こういう事だ」


カルは背後を振り返らずに退き、呟く。

だが、アラバスもそれだけで倒れたりはしなかった。

ゆっくりと起き上がり、顔を上げてカルのマスクを睨みつける。


「ったく.......なぁ、どうしてそんなに強いんだよ」

「お前に知る権利はない」


カルはそう言い放つ。

兄を妄信し、見捨てられることに最大の恐怖を覚える彼女は、たったそれだけのためにあらゆる究極の努力を重ねてきたのだから。


「そう.....かよ!」


直後。

アラバスがカルへと一気に距離を詰める。

だが、足を引っかけられて胸ぐらをつかまれ、壁に投げ飛ばされた。


「がっ!」

「さて、お前の相手にも飽きたな.....」


カルは呟く。

警戒して挑んだ相手だったが、最初から失念していたある事をすれば、二人を先行させる意味は特になかったのだ。


「ふざけやがって....なら、これはどうだ!」


大きく踏み込んだアラバスは、拳ごとカルに突撃を掛ける。

しかしカルは、回避しようとはしなかった。


「なあ、俺の銃は二丁あるんだが.....片方は全く使っていない」

「なッ――――」

「アデュー」


カルは打破者(カルセール)を抜き、アラバスの突き出された右腕に向けて寸分の狂いもない射撃を放つ。

一直線に突き抜けた光線は、その右腕をまるで竹を割るように真っ二つに吹き飛ばし、直後プラズマ化した断面が爆発した。


「クッソォ........!!」


炎に呑まれたアラバスは、悔しそうに顔を歪めながら消えた。

カルは興味を失い、残弾を撃ち尽くしたカルセールを仕舞う。

そして、上階へと向かった。




上階へと向かった私は、そこであり得ないものを見た。

傷だらけで蹲るファイス。

腕と胴体を破壊されたシトリン。

そして――――


「..........」


虚ろな目をして、こちらを見る......ラビ。

その首に嵌った輪は、紫の光を放っていた。


「もしかしてこれ、洗脳ってや――――」


言い終わる前に、ラビが襲い掛かってきた。


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