139-要塞下層制圧
ドックを抜けた私達は、要塞の下層の攻略を開始する。
ファイスとシトリンを別行動させ、私はスニーキングに徹する。
「な、なんぎゃっ!?」
出会い頭にカルセールのグリップで後頭部を殴打して昏倒させる。
これも結構コツが要って、トレーニングマシーンで何度も練習したのが懐かしい。
「撃ったら死ぬのにいつ使うんだろうと思っては居たけど」
こういう時に使うものなんだね。
私は海賊から奪ったパスキーを使って扉を開け、接敵した瞬間にニケで射殺を続ける。
この辺は下級海賊の居住区でもあるようで、汚くて臭い。
清掃が十分になされておらず、トイレ周りなどはもう筆舌に尽くしがたい。
「だ、誰だお前...っ!?」
「トイレの掃除くらいしろ!」
私は遭遇した海賊の顔面に蹴りを叩き込む。
何かが砕ける音がして、海賊はふっ飛んで倒れた。
その海賊も、清潔にしていないのか体臭が酷い。
まあ、下級の海賊なんてこんなものか。
お風呂もないみたいだし、あっても面倒がって入らないんだと思う。
「こっちに誰かいるぞ!」
「丁度いい」
私は角を曲がってくる海賊に対して、配管を攻撃する事で対処した。
化学反応でも起きたのか、廊下にガスが充満する。
「なんっ、またメンテナンス不足か...ぐああっ!」
「どうした! なっ、があっ!!」
ガスで視界を遮り、二人のもがく影に対して素早く撃ち、無力化する。
廊下を駆け抜け、ホールに出た。
そこでは数人がカードで賭け事をしていたが、私が入ってくるや否やすぐに銃を抜いて立ち上がった。
だが、飲酒しているようで軸足がふらついている。
「よう、お客さんかい」
「ああ」
その中の一人、階級が高そうな男が話しかけてくる。
酔っているふりをしているが、目はこちらの急所をしっかり捉えている。
「一杯やっていかねぇか?」
「生憎、仕事中は飲酒しない主義でな」
そもそも私、未成年だし。
その瞬間、男がトリガーを上げた。
「やっぱり酔ってなかったか」
「俺は酒に強いんだ、お前こそ...よく避けたな」
レーザー兵器はその性質上、駆動音が聞こえた後に発射される。
だからこそ、微妙なタイムラグを狙って避ければ当たらない。
私はカルセールを構えながら駆け、海賊たちの斉射を吸収しながら肉薄する。
「何で当たらな――――ぐぎっ!?」
着地してから、その中の一人に跳び蹴りを放つ。
脳震盪でも起こしたのか、その男は倒れ込んだ。
「この野郎!」
「悪いな」
手甲からシールドを発生させ、レーザーライフルの射撃ごと押し込みながら突進する。
そして、そのままシールドで殴りつけた。
そりゃあ、レーザー弾も弾けるならそれなりの硬度があるに決まっているからね。
「こいつ、ふざけた真似がっ!?」
「うるさい」
独り言が多すぎる。
私は全員を倒し、最後の一人の前に立つ。
「終わったな」
「ヒヒ....やるな」
私は右手を差し出す。
「パスキーを寄こせ」
「タダでやると思うか?」
「ああ」
私はニケを抜いて撃つ。
男はそれをかわすが、続けて放ったカルセールの一射を避けられずに蹲る。
「そういや....二丁持ってたな....」
「では、貰っていくぞ」
私は男の胸ポケットから半分見えていた物理キーを奪う。
「持ってけ......」
中々態度の大きい人だったし、もしかして賞金首かも?
そうだったらいいな....臨時収入で船のカスタムが出来るし。
そう思いつつ、私はさらに先へと進むのだった。
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