135-艦隊集結
そしてついに。
「ゴールド初めての指名依頼だな」
『味方の総数は200、かなり物々しいですね』
星系軍から直接指名依頼が来た。
ゴールド傭兵の私に、海賊の討伐戦に参加してほしいとの話が。
ステージングエリアにワープした私たちは、そこで集結した星系軍を見た。
「これは、普通の海賊じゃなかったみたいだね」
「そうなのですか?」
「星系軍が数を揃えて、そのうえで傭兵を集めてるんだ....これは、多分相当の強敵のはず」
といっても、ゴールド傭兵なんかそうそう居ない。
今回参加するのは、私ともう一人のゴールド傭兵だ。
『アルゴ・ヴェンタス...どこまでもついてきますね、この男は』
「もう実質仲間みたいなものかも」
見慣れた艦が飛んでいるのが見える。
ネメシスだ。
『よう!』
「お前も休暇か?」
『...しようと思ったんだけどよ。ギルドに寄った所で捕まって、強制的に駆り出されたんだよ』
「なら、頑張るんだな。報奨金で高級ホテルに泊まれるぞ」
『...ああ、前金でこれだからな』
ネメシスはスマートミサイル、ライトミサイル、ヘビーミサイル、クルーズミサイル、トルピードとミサイル装備の塊でただでさえ弾薬費を食うのだが、こうした公式の戦いでは弾薬費を軍が持ってくれる。
アドアステラは既に積み込み済みなので、後で軍から減った分の支給を受ける予定だ。
『レーザー砲艦は気楽でいいよなっ』
「ミサイル装備はターゲットコンピュータが古くてもいいから楽だな」
そう言い合いつつ、私は船を止めた。
事前に定められた停船スペースなので、衝突される心配はない。
こうして並ぶと、お互いの船の巨大さがはっきりとわかる。
他の星系軍の艦船と比べると二回り程度大きいネメシスと、その3倍くらい大きいアドアステラ。
巡洋艦というよりは、戦艦サイズだ。
『...ネメシスをオンボロって言うなよ!』
「じゃあ文句を言うな、第一突っ込むのは俺たちだろう」
『まあ、そうだな...』
ネメシスはヘビーミサイルとクルーズミサイルで中衛を務める。
スマートミサイルとライトミサイル、トルピードで近接防御を行うあの艦は、まさにミサイルのエキスパートのような艦だ。
「それで、お前は今回の作戦の把握はしてるか?」
『ああ、当然だぜ。なんせ今回の相手は、要塞だろ?』
海賊の要塞。
それは本来、海賊の手に渡るものではないが...主に二つの事例で、要塞が海賊の手に渡る事があるそうだ。
一つは、占拠。これは元々あった要塞を海賊が奪ったようなもので、その場合はあまり脅威にはなり得ない。気付いた星系軍か海軍に即制圧されるだろう。
もう一つは、カルメナスの関与。
カルメナスが販売している、要塞の簡易建設ユニットが使われた可能性がある。
勿論、それを購入するにはそれなりの信用が必要になるため、関わっているのはカルメナスと親しい海賊だろう。
後者であった場合、海賊の中でも雑魚ではなく、エリートが混じっている可能性がある。
参加しているシルバー傭兵ならともかく、星系軍には厳しい相手もいるかもしれない。
『まあ出発は明日だしよー、ゆっくり考えようぜ』
「お前抜きでな」
私は通信を切り、仲間たちと作戦について話し合うことにするのだった。
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