128-賊・滅!
戦闘はいつも通りだ。
指定された区画に出没する海賊を、探査プローブでスキャンして発見、強襲して撃滅する。
だが、
『ひぃっ、助けてくれぇ!!』
「嫌です」
アドアステラは、最早対雑魚においては過剰すぎるほどの武装を身に着けていた。
メイドインカナードの強化武装は、スリーパードローンに対しては有効だが――――
「生かして返すってのは不可能みたいだね」
シールドを削る等という行為は不要であった。
放たれた砲撃は、フリゲートのシールドを一撃で貫通し、内部に直撃して撃沈へと陥らせた。
中程度の出力のパルスレーザーですら、シールドに明確な損傷を与えている。
『敵の拠点を破壊完了』
「よし、次に行くぞ」
このような平和な星系では、プローブを撒くこと自体が敵対行為に当たる場合もある。
なので、事前に申請はしてある。
そのせいか海賊側に情報が洩れていて、普段より探しにくいのだが......
『発見いたしました』
「ワープ開始」
「ワープドライブ起動します」
アドアステラの探査能力はとても高い。
元が強襲型なので、自力で敵を探知できるスペックも持っているのだ。
『おい、デカいのが来たぞ!?』
『構うな、殺せっ!!』
アドアステラは再び海賊の拠点へとワープする。
「どうして海賊の拠点って、どこも似たり寄ったりなんだろうね」
「建造施設のプリセットがそうなのでは?」
「あー....確かに」
『敵拠点から巡洋艦二隻が出撃してきました』
海賊の拠点は主に四タイプで、あまり変わることがない。
単独型、単独二つをブリッジで結んだもの、横長型、縦長型。
流石に基地となると、また形も違ってくるんだけど――――
『艦長、砲撃を受けています』
「ああ、分かっている」
正直軍用ですらない陽電子砲では、シールドにダメージを与えることも.....
『そうやって死んだ奴を俺は何人も見たぜ!』
....いや、確かに。
慢心はいけない、それは確かのはずだ。
「全砲門開け、敵を打ち破る!」
『了解』
油断はしない。
ただ、最短で敵を倒して、次に備える。
夜。
.....いや、昼? いや、夜かな?
グラームプライムⅡに降りた私たちは、先ほど降りた街に降りて、完遂報告をしに行った。
「どうされましたか?」
「依頼が終わったので報告に来た」
受付嬢は、私が依頼を完遂できないと思ったようだ。
だけど、終わっちゃったものは仕方ないよね。
「え、もう....ではなくて、撃破記録を確認しますね......は、はい! 依頼は完了です! ありがとうございました!」
私は報酬の振り込みを確認し、ギルドを後にした。
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