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114-乾坤一擲

再突入を行ったアドアステラは、砲火に晒されながら加速する。

私の操縦は別に上手くも下手でもないが、それをシトリンがサポートしてくれる。

ドローンの裏をかくように、機体をあらゆる方向へ転進させ、スラスターを使った無理な機動を行って砲撃を回避していく。

もちろん、その間の砲撃は一切止めていない。

ただ...


「数が多過ぎるな...」


指揮官が狙われた瞬間に、奴らはセンティネルではなくこちらを狙い始めた。

正直、手が足りない...


「いいや、それでは甘いな」


私はアリアに敵の座標を同期共有する。


「アリア、敵の座標をもとに、偏差でミサイルを撃ち込め...出来るな?」

「...やってみます!」


近接信管ではなく、時限信管のミサイルを放ち、出来る限り多くのドローンを巻き込む。

これは感覚が重要だが、ミサイルの発射を何度もやってきたアリアなら出来るはずだ。


「ケイン、オルトロスを全機射出! 最適と思われる対象に攻撃を放て、一撃でも受けたら帰投させ、シールドを修復してから再度出撃!」

「了解!」


オルトロスは高火力のドローンだが、耐久力は比較的低い。

だがケインの即時判断があれば、あのドローン達は即座に帰還するだろう。


「ノルス、推力上昇、SWDの起動、サブワープドライブの出力に関してはお前に任せる...頼んだ!」

「喜んで...御主人!」


基本は私の指示で行なっているけれど、もう彼はアドアステラの機関出力だけに目を向けるならば、素人ではないと言える。

全て任せてしまおう。


「ファイス、シールド系モジュールやサブシステムの起動については、お前の判断に任せる」

「お任せを」


直後、押されていたシールドが内部から響く機械の稼働音と共に回復していく。

ファイスがシールドブースターを起動したのだろう。


「...ッ!」


エリートドローン(旗艦級)の砲口が、ついにこちらを向いた。

私は咄嗟に指を鳴らす。

直後、SWDが起動し、アドアステラは高速でエリートドローンの射角から離脱する。


「シトリン!」

『はい、射撃再開します』


丁度真横にエリートドローンが来る形になったため、アドアステラの主砲が旋回し、再び捕捉されるより速く砲撃を行う。


「ノルス!」

「CJD起動いたします」


捕捉され、砲撃が飛ぶと同時にアドアステラは艦首を跳ね上げ、そのまま上へと向けてジャンプする。


「......がっ!?」


突如、脳裏に石をぶつけられたかのような衝撃が走る。

慌ててマスクを解除して、エチケット袋を取り出して血を吐く。

この傷は体内の出血によるものだけれど、医療ポッドに入ればすぐに治る、骨折とはものが違うものだ...気にする理由はない。


「降下する、総員、自らの職務を全うせよ!」

「「「「『了解』」」」」


エリートドローンに再接近するには、周囲の小型ドローンが邪魔だ。

一気に急降下して一撃を撃ち込まなければならない。

そう考えていた時。


『雷撃接近、直下です』


雨霰のような勢いで、魚雷群がアドアステラの直下にいるドローン艦隊に襲い掛かった。

シールドが剥げ落ち、吹き飛ぶドローン達。

その攻撃を行ったのは誰かと、私は簡易レーダーを見た。


『カル、やっちまえ! 俺は逃げるけどな!』


ネメシスが機首を逆側へ向け、逃げていくのが見える。

一部のドローンのヘイトがそちらに向き、ネメシスを追っていく。

あまりのファインプレーに、私はついアルゴを疑った。

けれど、真実だ。


「ありがとう、アルゴ...砲撃準備!」

『射撃準備完了』


アドアステラとエリートドローンの射線が交差する、その一瞬。

不安定なシールドへ向け、全ての砲塔を連射する。

すぐにシールドが砕け散り、エリートドローンが被弾する。


『こちらセンティネル、直ちに離脱せよ』

「離脱する、ノルス!」

「はっ!」


アドアステラは加速し、キルゾーンから離脱する。

直後、センティネルの艦首付近に巨大なエネルギーが収束し、直後エリートドローンの艦隊と、その背後にあるステーションに向けて放たれた。

一般スリーパードローンのシールドを紙のように貫き、シールドの消えたエリートドローンを吹き飛ばした一撃は、ステーションに大穴を開け、内部で爆発してステーションを吹き飛ばした。

それによって、内部を巣にしていたドローンも纏めて消し飛んだ。


『攻撃終了。全艦、突入せよ、突入せよ、残党を掃討せよ!』

「よし、俺たちも行くぞ!」


アドアステラは再度方向転換し、エリートドローン艦隊の残党の掃討へ向かうのだった。

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