109-食事のお誘い
旗艦センティネルにドッキングした私たちは、シラード達と格納庫で再会した。
アドアステラは殆ど補給を受ける必要がないので、私たちは船を置いてシラード達と会話する。
「生きてたか、カルよ」
「ああ、お陰様でな」
シラードと会話をするのは、今回の件は一人で行動する訳にはいかないからだ。
私一人であれを相手取るのは、不可能では無いが反感を生むだろう。
それに、調子に乗るとアドアステラだって危ないという事が、あの秘密研究施設の突破戦で思い知った。
こういう時は、仲間を頼るべきだ。
「これからどうする?」
「突然だな...まあ、単刀直入にいえば、補給を行う。我が艦隊は既に二割程度戦力を喪失しているから、ここの星系の警備隊と合流したいところだ」
つまり、すぐに出撃というわけではないようだ。
私としてもそれは全く問題ない。
「.....ところで、あの船はどこで手に入れたんだ?」
「詮索は無用だ」
「......まあ、おおかたVe’zのサルベージング品だろう?」
「そのようなものだ」
とりあえずVe’zの技術という事にしておく。
便利だなぁ、古代技術。
「Ve’zの技術なら、スリーパードローンに対して有効打を打てるわけだな」
「....それから、カナードからとあるものを預かった」
「なに?」
私はカナードから預かった設計図のメモリーを、直接シラードに手渡した。
シラードはそれを端末に読み込ませ、私に問いかける。
「これは....?」
「スリーパードローンの兵器技術を転用した、小型・中型のエネルギータレットだ。スリーパードローンのシールドに対してある程度有効なはずだ」
「....成程、カナードはお前に、研究を託して逝ったのか」
「まあ、そういうことだ」
託してというか、押し付けられたというか.....
「すぐに生産することはできないだろうが.....星系軍の小型・中型艦に配分することは出来そうか?」
「ああ、旗艦の艦内工場があれば可能だろう」
「そうか」
私は下がろうとする。
だが、その時。
「カル」
「....なんだ?」
「飯でも食わないか? 仲間も連れてきていい」
「構わないが.....何故だ?」
私は疑問に思って尋ねた。
アドアステラを奪うために毒殺でもする気か?
「いいや、お前は救世主だからな...お前が来なければ、もっと大きな被害につながっていた。その礼と、今後の展開の説明を兼ねて食事会と行こう」
「...ああ、分かった」
私はそれに、頷いたのだった。
仲間全員を連れて行っていいとの事だったので、あまり私的な付き合いのない子にも美味しいものを食べさせてあげられるだろう。
私は若干の嬉しさを秘めつつ、船に戻るのだった。
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