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異世界の宇宙に船ごと転移しましたが、お兄ちゃんのいない宇宙には住めないので、お兄ちゃんを探す事にしました!〜男装ブラコン少女の宇宙冒険記〜  作者: 黴男
シーズン4-スリーパー防衛編

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107/272

107-アドアステラ到着

シラード率いる対スリーパー艦隊は、アルカ星系へと向かうためにネセト星系へとジャンプした。

だが、その戦況は良いものとは言えなかった。

何故か?

それは、スリーパードローンの強さを見誤っていたからである。

その強力なシールドと、無比なる攻撃力と命中精度により、コルベットやフリゲートでは相手にもならず、駆逐艦や巡洋艦でも盾代わりにしかならないのだ。

巡洋戦艦や戦艦を持っているのは、軍と一部の傭兵だけであり、それらの斉射によってやっと一機を倒せる状況である。


「クソッ、一体何体いるんだ!?」


叫んだのは、アルゴである。

彼の持つネメシスは戦術巡洋艦ではあるものの、ミサイルは巡洋戦艦用のヘビーミサイルの為に、スリーパードローンと互角に戦えていた。

だが、そのシールドは既に消失し、装甲だけで何とか耐えている状況であった。

ネメシスはその巨体で誤解されがちだが、アルゴのいるブリッジ区画以外はすべて飾りのため、ドローンの射撃にも耐えていた。

そのせいか、周囲の巡洋艦乗りたちの士気もまた、ぎりぎりで維持されていた。


「ゼーレン、どうなっている?」

「数が多すぎますな、閣下」


旗艦センティネルを含む星系軍の戦艦艦隊が、スリーパードローンに攻撃を仕掛けているものの、射程を無視した長距離射撃で数を減らされ続けていた。


「おまけに、TRINITY.共も協力を願い出ませんから...」

「あいつらの事は放っておけ、俺が土下座して協力しろと言うのを待っているだけだ」


TRINITY.は警察組織であり、防衛には加担しない――――そんな言い訳を盾に、協力を拒んでいるのだ。

実態は、戦闘が終わる瞬間に参戦し、手柄を奪うつもりである。

もし星系軍が負けても、「戦闘が激化する中民間人を守りながら戦う事が出来ず、シラード伯爵に頼まれ仕方なく撤退した」という言い訳をして離脱するつもりなのだ。


「だが....まずいな....ここを抜かれると、ジスト星系に奴らが流れ込むことになるぞ」


それだけではない。

スターゲートから近い場所で戦っているので、ワープ距離を指定できないワープドライブでは、一度にゲートまで飛ぶのに時間がかかる。

そのまま撤退すると、敵に背中を見せることになってしまう。


「全軍を連れて来たのが仇になったか.....!」


シラードは自分の判断ミスを後悔した。

既に解放軍側の被害は無視できないものになっている。

その時。

スリーパードローンの艦隊に、異様な動きがみられた。

そして、


「ッ、スリーパードローンの攻撃対象がこちらへ集中! 他の攻撃艦を完全に無視していますッ!」


全てのスリーパードローンの射撃が、センティネルへと集束した。


「シールド低下! シールド低下!」

「閣下!」

「くっ、撤退は....間に合わないか!」


かくなる上は、進行方向に対してワープする他ない。

だが、センティネル級は主力艦である。

ワープ距離は短く、この場での即時ワープだと、敵陣に突っ込んでしまう。


「こうなれば....」


敵陣の中で自爆するほかないかと、シラードが決意を固めた時。

ブリッジのモニターから見えていた後方のゲートが光を放つ。


「何!? ゲートは封鎖していたはず....」


直後、ゲートから何かが飛び出す。

それを、センティネルのレーダーが捉えた。


「未確認艦、速度を増加させています! 船籍タグ、AD-Astra(アドアステラ)!」

「.....カル!」


シラードが呟く。

ここに彼がいるということは、全てに決着をつけ戻ってきたということである。

そしてそれは。

シラード達の勝利であるということでもあった。


「全艦に通達! アドアステラを援護せよ!」

「閣下、あの船はそれほど強い船というわけでは――――」

「俺の親友の友人の船だ、弱いわけがない! これで負けたら、笑いものだがな!」


シラードは、高速でセンティネルの横をすり抜けるアドアステラを見て、呟いた。


「.......任せるぞ、カル」


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