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異世界の宇宙に船ごと転移しましたが、お兄ちゃんのいない宇宙には住めないので、お兄ちゃんを探す事にしました!〜男装ブラコン少女の宇宙冒険記〜  作者: 黴男
シーズン4-スリーパー防衛編

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105/272

105-消えた記憶

夢を見ていた。

私は文武両道全てにおいて完璧な存在になって、何もかもを思いのままにする権力、財力。全てを手に入れて、お兄ちゃんの前に立っていた。


「お兄ちゃん、私、こんなに立派になりました!」

「そうか......じゃあ、俺は要らないな?」

「そ、そんな事....」


次の瞬間、お兄ちゃんは霧の中に消えていくように、薄くなっていく。


「忘れるな、俺はお前の兄だ。だからこそ、俺の愛は尽きることがない。お前はお前の道を往くべきなんだ」

「お兄ちゃん.....そんなこと言われても.....」


完璧な存在になっても、お兄ちゃんは応えてくれない。

よくやった、それでこそ俺の妹だと、誇ってくれない。

だったら、どうしたらいいの?


「これは夢だ。お前もそれは分かっているんだろう?」

「....うん」


これは夢だ。

私は完璧でもないし、全てにおいてトップではない。

その途端、靄が掛かっていた周囲が、見慣れた家の内装に変化する。


「忘れるなよ、俺はお前を愛してる。でも同時に、俺なしでお前が生きていけるか心配なんだ」

「私、お兄ちゃんがいなかったら!」

「大丈夫、きっと会えるさ」


そう言うと、夢のお兄ちゃんは消えた。

後には、私だけが残された。


「.......行こう、私を待ってる人がいる」


きっとこれは、私の都合のいい妄想かもしれない。

でも、お兄ちゃんは私に、妄信的になるなと伝えたいのだと分かった。

ただ信じることは力ではない、近づけば遠ざかる目標として見るべきなのだと。







「ん......」


目を開けると、激痛が襲ってきた。

左腕が固定されているみたいだ。


「....ここは?」


周囲を見渡すと、ここがどこかすぐに分かった。

アドアステラの、私の部屋だ。

壁一面に、お兄ちゃんがSNOで取ったトロフィーが並べてある。


「たまには磨かないといけないかな」


私がそう思っていると、ドアが開いた。

ファイスだ。

彼は入室して私を見て、すぐに駆け寄ってきた。


「主人!! お目覚めですか!?」

「うん....痛たたたた!」

「あまり動かれませんよう.....左腕を骨折していましたので、ナノマシン修復剤で修復したばかりなのです」

「あー....分かったよ、それで、何日寝てた?」

「二日です」


二日......中々まずいかも。

どれほど戦線が下がったかも分からない現状だけど、少なくとも一日は動けない。


「そうだ、カナードのデータは回収した?」

「はい、手筈通りに......主人の端末から見れるはずです」

「ありがとう」


私はお礼を言う。

訳も分からないまま、パスワードを入れてくれたんだから。


「.....ところで、主人」

「何?」

「あの力は、一体?」

「あの力って?」

「カナードをねじ伏せたあの力です!」

「え? カナードは私とファイスで倒したでしょ?」


私とファイスの完璧なコンビネーションで、カナードの圧倒的な身体能力を圧倒して勝った。

苦しい戦いだったけれど、この傷だけで済んでよかった。


「そ、それは........はい、その通りです」

「変なこと言わないでよ....」

「では、どうされますか?」

「進路をジスト星系へ。有事の際はファイスに戦闘の指揮を任せる――――私はカナードの残したデータを閲覧するから」

「分かりました」


私は部屋のモニターに、カナードの残した”父親との軋轢”そのデータを投影する。

さあ、何があったのか見せてもらおうかな。


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