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鈴鹿静時のオーナーブリーダー物語〜謎アプリを添えて〜  作者: 菅原暖簾屋
秋の大勝負! 白熱ジャパンカップ!
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名駿 ジャパンカップ特集増刊号2039 前編

名駿 ジャパンカップ特集増刊号2038


 特別インタビュー

 決戦! ジャパンカップ2038参加陣営インタビュー


 今回の特集では桜花牧場の鈴鹿社長に通訳をしていただき、五カ国からのジャパンカップ参加陣営に取材することが可能となりました。

 紙面をもって尽力していただいた鈴鹿社長への感謝の言葉とさせていただきます。



 一組目はイギリスからの参加陣営、ウィル・アムス調教師へのインタビュー。

 彼らは三週間前から美浦のトレーニングセンターに滞在しジャパンカップを待ち受けている。

 参戦馬はイッツソーラック。イギリス女王陛下の持ち馬で、今年度のイギリスクラシック三冠馬だ。




成田大志記者(以下成田):本日は取材を快く受けていただきありがとうございます。


ウィル・アムス調教師(以下アムス):どうもどうも、ジャパンカップは三回目だけど今年の盛り上がりは凄いね!(笑い)


成田:そうですね。ウィルさんたちイギリス陣営、アメリカ、ドイツ、フランス、そしてアイルランドから名馬が集まって競走するわけですから、それも仕方ないかと。


アムス:ちっちっち、日本人は謙虚でいけないね。分かってるんだろう? 代わりに言ってあげるよ。我々はグリゼルダレジェンに勝ちに来たんだ。


成田:やはり、そうですか。


アムス:いやぁ、ホースマンとしてはね。見せてもらったよ、レアシンジュとグリゼルダレジェンの死闘。あれを見て戦いたくないと思う本物のホースマンはいないんじゃないかな?


アムス:少なくとも今年挑んできた他の四カ国の陣営もそうだと言うだろうね。


成田:確かに私も現地で観戦して心が震えました。


アムス:だろう? 女王陛下も同じだった。だからイッツソーラックを急遽出走登録したのさ。勝つつもりで来ているが負けても確実に得るものがあると思ってね。


成田:なるほど、戦いの経験を久しぶりの無敗のクラシック三冠馬に教えたいと。


アムス:勝つつもりではあるけどね。芝の慣れもあるし、なにより強敵ばかりだ。弱音は吐いちゃいけないが圧倒的に不利だからさ。無能って言われないように予防線を張っとかないとね! HAHAHA!(爆笑)


鈴鹿静時社長(以下鈴鹿):オリビア(アムス氏の御息女)にチクッてやろ。


アムス:セイジ! 勘弁してくれ!


成田:ははは…。鈴鹿社長とは仲がよろしいんですね?


アムス:イッツソーラックの三冠達成に立ち会ってもらったからね。オリビアも彼を気に入ってるし、家族みたいなもんさ!


鈴鹿:俺のことはいいから…。成田さんインタビューをお続けください。


成田:(苦笑)。分かりました。レース一週間前ですがイッツソーラックの仕上がりはいかがでしょう?


アムス:いいね。とてもいいよ。三週間前から日本に来たおかげで、輸送による疲れや環境の変化によるストレスは殆どないし、体調は完璧に近い。美浦の水は酷いものだったけど鈴鹿が体調を崩さないように気を使ってくれたからね、逆にちょっと馬体重が増えたのが悩みかな。


鈴鹿:飼い食いがよくなるから調節しろつったじゃん(笑い)。


アムス:あそこまで劇的によくなると思わなかったんだよ(笑い)。


成田:それは噂に聞いた、鈴鹿社長がレアシンジュたちに振る舞われた件の水ですか?


鈴鹿:そうですね、水と言っても馬用のスポーツドリンクみたいなものですが。


アムス:アレは輸出してもらえるのかな?


鈴鹿:高いぜ? 二リットルでこのぐらい(指で示す)。


ーーー結構な金額なので成田判断で金額は伏せました。


アムス:なるほど、後で話を詰めよう。インタビューは終わりかな?


ーーー先程までの好々爺然とした態度から一気にトップトレーナーの雰囲気に変わるウィル調教師に成田は驚きました。


成田:え、ええ。それでは最後に意気込みをお願いします。


アムス:国民の皆さんや麗しき女王陛下からトロフィーを持って帰って来いって言われてるんでね。勝ちます!


成田:素晴らしい意気込みでした。ありがとうございました。


アムス:どうもありがとう。





ーーーーーーーーーーーーー




 二組目はアメリカからの刺客、トッド・コックス調教師。

 彼らも二週間前から美浦に滞在しており、前情報では調教は順調とのこと。

 参戦馬はレターオブサンクス。今年のブリーダーズカップターフの勝者である五歳馬だ。



成田:コックストレーナー、インタビューに応じていただきありがとうございます。


トッド・コックス調教師(以下コックス):ああ、よろしく。


成田:早速ですが、調教の具合はいかがでしょうか?


コックス:それなんだがね。ミスター鈴鹿。


鈴鹿:なんでしょう?


コックス:あのスペシャルドリンクを輸入したい。いくらかね?


ーーー成田、ここで思わず吹き出してしまった。


コックス:どうかしたのかね?


成田:いえ、ウィル調教師も同じことをおっしゃっていたので。


コックス:ああ、理解できる。あのドリンクは素晴らしい! 禁止薬物も入っていないのに、輸送に弱いレターオブサンクスが三日も経たずに復活できたんだ。とんでもない代物だよアレは!


成田:お話には聞きましたがそんなにすごいものなんですね。


鈴鹿:値段に見合うだけの効果はありますよ。


成田:先程聞いた値段を思うと軽々しくそうなんですねと言えませんね(苦笑)。


鈴鹿:安くはないですからね。ミスターコックス、そのお話は後ほどにしましょう。


コックス:ああ、わかった。それで調教の具合だったか? 完璧と言っていいな。サンクスのモチベーションもかなりいいし、馬体重も理想に近い。ミスター鈴鹿がいるところで言うのはなんだが負ける気はしないね。


成田:おお、それではジャパンカップでの成果は期待しても?


コックス:日本のみんな。サンクスに掛けても損はしないぜ!


成田:ははは(笑い)。なかなかの強敵が参戦した模様です。日本勢は勝てるのでしょうか。コックス調教師、お話ありがとうございました。


コックス:どういたしまして。ミスター鈴鹿、それでは商談しよう。



ーーー商談で二十分ほどかかり次のインタビューが押しました(苦笑)。











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