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The darkness Princess~おわりからはじまり~

 繋ぎ紡ぎましたよ。

 

 アタシはアタシの物語を描く。

 新たな女神セーラは強い決意の元、物語を紡ぎはじめた。



 異世界帰り道※夜話#1


 俺、藤丸喜一は、ひょんなことから異世界転生を果たし、この度、仲間とともに魔王ゾルべを打倒した。

 かねてより、相棒の勝利の女神セーラにより、魔王打倒の暁には、神御業である現世転生の儀より元の世界に帰れるという契約が結ばれている。

 黄金の髪をたなびかせて、愛しい女神は俺に決断を迫る。



☆☆☆


 女神セーラは期待を込め、喜一の言葉を待った。


「さあ、キイチ、契約は果たされました。あなたの望みを・・・」


「俺は・・・」


 女神は彼の機先を制し、


「この世界にとどまって、私と共に生きるのも選択肢のひとつ」


「俺は・・・」


「それはあなたの自由なのです」


「俺は、げん・・・せ」


「キイチ!」


 女神はギロリと俺を睨んだ。


「・・・すまない、セーラ・・・」


「ああ、とんだ間違いの選択をしようしている、あなた・・・私は神だから心が読めるのよ」


「・・・でしょうね。出会ってからずっと俺の心が筒抜けだったもん・・・だったら分かるだろ?」


「・・・だったら何?あなたっ!女神の私より、見そびれた某スパイアニメが観たいって、どういう了見なのですか。女神ならず誰だってそんな理由は納得出来かねます」


「・・・だって、観たいから」


「セーラ、激オコぷんぷん丸っ!」


「だって、しょうがないじゃないか」


「愛より勝るものはないのよ。アタシといればずっと幸せなのよ」


「セーラ、男は時として譲れないものがある」


「たかが、アニメに?」


「ジャパニーズ、アニメーションを侮るなよ。女神様」


「ぐぬぬぬ」


「むむむむ」


 一歩も譲り合おうとしない2人。


「・・・・・・」


「・・・・・・」


「・・・なあ完結まで観たら戻ってきてもいいから」


「なにその上から目線・・・あなたってバカね、奇跡なんて2度は起こらないのよ」


「それでも俺は・・・」


「わかったわよ」


 セーラは首をすくめ神の儀仗を振るう。


「この者の御霊をあるべき場所へ還せ」


 現世へと繋がる光の扉が現れる。


「ありがとう」


「バカ・・・本当に馬鹿っ」

 女神は涙を浮かべ男に永遠の別れを告げる。


 喜一が扉をくぐり女神セーラが視界から消えた瞬間だった。

 彼の肉体意識記憶がすべて消えてしまう。

 ソウダッタ・・・オレハ・・・シンデイタ。

 その事実だけが彼の脳裏に焼きついた。

 ・・・・・・・。

 ・・・・・・・。

 ・・・・・・・。

 ・・・・・・・。

 ・・・・・・・。

 リアルに彼は存在しない。




 セーラは天を仰ぎ、膝から崩れ落ちた。

「転生の輪廻を抜けたと思ったら・・・また・・・またなの」

 深く瞳を閉じた女神は、自らの消失を願おうとした。

 消えようか思ったが、駄目だと思い留まる。

(アタシはまだ物語を描ける)

 女神セーラは前を見据え歩き続ける。



 

 女神セーラの物語(闘い)は、まだまだ続くっ!

 御愛読ありがとうございました。

 大介しぇんしぇーの拙作が読めるのはなろうだけ(笑)。

 次回作にご期待ください。


 ホラー夜話での拙作を繋いで、物語にしてみました。

 流石に加筆修正しているといえど、同じ話では味気ないので、6、7話に新作を挟んでいます。

 これでどうかな~?

 他の話も夜話とは微妙に変わっているところもあるので、お暇でしたら読み比べてください。

 

 ・・・私の闘いはこれからだっ!的な〆になりましたので、おわりに遊び心加えてみました。

 いらんかった?うん、そう思います(笑)。

 重ねて完結まで読んでいただき感謝です。

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