表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
となりン家の柴犬:ナルさん  作者: ねむりねこ
6/6

ナルさんとタマさん

ナルさんは吠える。

めっちゃ吠える。

いつも通る小学生に向かって吠える。

いつも来るガス缶交換業者の方に向かって吠える。

とにかく家族以外は全員に吠える。


毎日見かける人間に関しては、いい加減に吠えるの止めればいいのにと私は思うのが、

ナルさんは、それでも吠える。


そんなナルさんが家族なのに唯一吠えるのが、同じ家で飼われている老猫タマさんである。


溝に落ちてた所を拾われたタマさんは、すくすく育ち、近所をよく散策していたのだが、

最近は、お年だからか、家の中からあまり出て来ない。


それでも時折、暖かい日などは、ふらりと外に現れたりする。


ゆえに、タマさんの出現は大変貴重である。


よって、私はタマさんを見つけると、

ナルさんに「ごめんね!タマさんに会えるのはレアなんだ!」と謝ってから、

タマさんを構い出す。


タマさんは、喉を掻いていると、ゴロゴロ言いながら「もっと力を入れろ!」と喉を押し付けてくる可愛い子だ。


当然、怒るナルさん。


めっちゃ吠える。

とにかく吠える。



そんな日常が続いていたある日のこと。


ナルさんはミルクを飲むのに夢中で、タマさんが近づいていることに気付かなかった。

珍しく静かだなと思って、タマさんがナルさんに接近するのを眺めていたら、


タマさん、躊躇なく、ナルさんが飲んでるミルク皿に横から顔を出し、一緒に飲み始めた。


びっくりするナルさん。

次いで事態を把握し、怒るナルさん。


何食わぬ顔で、ミルクを舐め続けるタマさん。


いやいや、さすがにこれはナルさんが吠えるの無理ないわ。


とりあえず、ミルクの入った器をもう一つ用意する私。

ナルさんと離れた場所に起き、

タマさんを抱っこで、そこに移動。


これで大丈夫だろ。


暫く静かに各々のミルクを飲む、ナルさんとタマさん。


が!!


ナルさん、自分のミルクがあるにも関わらず、タマさんのミルクを強奪しようとダッシュ!!


「やめいっ!!!」


私はナルさんの手綱を足で踏んで止める。


が、ナルさんは吠えたり、タマさんのお尻を掴んで、なんとかタマさんをミルクの器から引っ剥がそうとする。


なんでだ!!

お前のこっちにあるだろっ?!


「じゃあ、これは要らないんだな?」と言って、ナルさんのミルクが入った器を持ち上げると、

「それはいる!」とばかりに戻ってくる。


しかし、次の瞬間、またもやタマさんのミルクを狙いにいくナルさん。


なんでなんだっ、お前は!!


結局、ナルさんとタマさんの攻防は死ぬまで続いた。

読んで頂きありがとうございましたm(_ _)m


【追記】

タマさん、2022年12月17日永眠。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ