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「一文物語集」(飯田茂実)
私が読んだのは「とっておき名短篇」(北村薫 宮部みゆき 編 ちくま文庫 2011年)に収録されたものですが、調べたところ、オリジナルは303の一行の文章からなる小説のうち、0~108のみ、ということになるらしいです。
一行の文章がたくさん集まって一つの長編ができあがる、という趣向だとは思うのですが、少なくとも0~108を読んだ限りでは、とても一つの世界に収束されるような気配・予兆は見当たりませんでした。
ただオリジナルを読もうにも過去に小さな出版社から刊行されたきりのようで、アマゾンで中古がずいぶん高値で出品されているような具合です。
短い文章が集まって…という趣向では「驚愕の曠野」(筒井康隆)も近いのですが、さすがにそれぞれが「一行」ほど短くはないし、「短い文章が集まって」よりもむしろ別の趣向の方が重要だったりするんですけどね。(ああ、この筒井本も久しぶりに読みたいなぁ!)




