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後日談 アトリエKへようこそ
そのアトリエには、4人の住人がいた。
1人は、大きなキャンバスに大胆で繊細な絵を
1人は、透き通ったレジンで愛らしいアクセサリーを
1人は、恋を詠い生きた大正ロマンを
1人は、狂気と正気に揺れ動くサスペンスを
4人の作品は出ればたちまち売れてしまう。
だから、欲しい人はそのアトリエの扉を叩くのだ。
誰もがその作品に心躍らせた。
だけど、そのアトリエには秘密があった。
「あたしたちに好かれてはいけないよ。」
「僕たちに心を許してはいけないよ。」
「己たちと暮らしてはいけないよ。」
「私たちに気付いてはいけないよ。」
その約束を破ってしまったら最期。
「「「「あなたに絡みついて離さない。」」」」
そのアトリエには、4人の住人がいた。
その名前は、『アトリエK』
ここは、『ひとり』をやめられる場所。




