第1章 1人の姫君と4人の職人
ここは、アトリエK。
4人の男職人と1人の女弟子が共に暮らす場所。
ここから生まれる作品は、すぐに高値の買い手がつくほどの人気ぶり。
「K、おはよ。朝ごはん何?」
「目玉焼きとソーセージ、バターフランス。あ、R、おはよう。」
「おはよう。H、昨日も遅くまで書いてましたね?おかげで寝不足ですよ。」
「あはは、ごめんごめん。あたしも筆が乗ったら終わるまで辞めないの知ってるっしょ?」
「お前ら、しゃべってないでK手伝えよ。」
「おはよ、N。ネクタイ曲がってるよ。」
「えっ、鏡で30分チェックしたのに!」
4人が起きてワイワイと朝食の準備をする。
その最後に、このお城の姫君が身支度を終え現れた。
「おはよう、皆さん。」
「「「「おはよう、F。」」」」
Fは表向きKの弟子だが、4人からそれぞれ創作の技術を学んでいた。
そして、4人はそれぞれ恋心を抱いていた。
「飲み物はあたしと同じ野菜ジュースでいい?」
「僕の隣、座って。」
「今日は己と茶会をしましょう。」
「あ、そのあと私と取材行こ!」
Fはそんな4人の優しさに包まれながら、職人の腕を上げる。
そんな幸せな毎日。
これは5人のとても幸せな日常である。