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その令嬢極悪につき2
「それだけ、だと!お前のやったことでどれだけローズ嬢が迷惑をしていたと思うんだ!」
正直ローズ嬢など眼中になかった。何やら王子の周りをうろちょろしているし、王子もお熱になっていたが、別に障害になりはしないはずだった。政略結婚を取りやめるには、ローズ嬢の家柄も態度も品性も知識も、人脈もお話にならなかったからだ。
ローズ嬢は王子にかばわれて、悲しそうにしながらもどこか勝ち誇っている様子が分かる。周りの男共は気づいてないのだろうけど、同じ女の私には分かる。だって、あれぐらいは貴族の娘として基礎教養レベルだし、何なら同性相手だとしても気づかれている時点でお粗末なのよ。
「おい、聞いているのか!」
「あら、ごめん遊ばせ。それで、私に要求するのは婚約の破棄だけ、ということでよろしいかしら?」
「ふんっ、殊勝に婚約の破棄を受け入れる態度は褒めてやろう。だが、それだけで済ますわけがないだろう。ローズ嬢に謝罪しろ。この場でな!」」