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方向音痴の半竜娘は旅がしたい  作者: 揚げパン大陸
第1章 魔物問題を解決しよう
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第45話 何故?クレアにかけられた呪い その3

 寝間着のまま宿を飛び出していったエリルが戻ってくるのを、宿の前で待つ俺とミスト。


「やっぱりユウキには敵わないなぁ」


 ミストが唐突にらしくないことを言いだした。ので、俺は珍しいものを見るような目でミストを見る。


「熱でもあるのか?」


 そう言うと、ミストは不服そうな顔になって俺の手を掴み、自分の額に当てさせた。……へ?


「あると思う?」


「い、いや…ないです。すみません放してください」


 むしろ俺の方が熱が出そうな勢いだ。まずい…手汗が出そう…。女の子の額に初めて触れてしまった…。なんとか放してもらうよう言うが、彼女はなかなか放してくれないどころか、俺の掌に自分の掌を当ててきた。


「おぉ…、私よりけっこうでかい」


 ミストの手が柔らかい…!しかもすべすべ…!うわぁぁぁ!耐え切れん!


「俺の方が背もでかいし当たり前だろ…!」


 耐え切れなくなって手を引っ込める。なんだよ。さっきまでの不安げな感じはどこ行った。

 …すると、向こうの方から、とぼとぼと戻ってくるエリルの姿が。


「すごい。ユウキの言った通り」


「だろ。…あれ?っていうか足怪我してない?」


 よく目を凝らすと、右足をすりむいている。…ずっこけたのか。そりゃ寝間着は走りづらいからな。エリルも俺達に気付き、恥ずかしそうな表情になる。


「いや…あの…準備はちゃんとした方が良いかなって思いまして…。朝ご飯も食べて無かったですし…」


「転んだ?」


「……はい」


 これまた恥ずかしそうに細い声で白状した。


「エリル、さっきは強く言ってごめんね」


 ミストがさっきの口論を謝ると、エリルも慌てて頭を下げる。


「いえいえ…!私こそごめんなさい!ミストにひどいこと言っちゃいました…」


「気にしないで。さ、これで仲直り!じゃあ、仕度してモルテナ山に行こう」


「えっ?ミストも来てくれるんですか?」


 ミストの方から行くと言ってきたので驚くエリル。俺もちょっと驚いた。


「もちろん。この町に来たのもそのためなんだし」


 ミストは笑みを浮かべてそう答えた。…なんか俺の方が恥ずかしくなってしまった。



 朝食を食べて、身支度をして、3人揃ってモルテナ山に向かい始める。…と、ここでクレアのことを思い出した。


「そういやクレアは大丈夫か?」


 相変わらず、クレアに対する扱いが雑である。


「あっ!そう言えば!」


 実はエリルも忘れていた模様。エリルは本を取り出して開いてみる。


「クレア!頭痛は治りました?」


 すると、のそっと氷で頭を冷やすクレアが出てきた。


「ん~~~びみょい…」


 元気のない感じはなんだかある意味レアだな。っていうか、そんな長引く感じの頭痛だったのか。じゃあ少なくとも演技じゃなさそうだな。


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