表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/15

魔王と真実を証すもの

 

「魔王様が現れたそうだ」


「でも、様子がおかしい」


「魔王様は今までの方とは違い人の姿をしている」


「でも、瞳は黒いのだろう?」


「ああ、光の入り具合に寄っては若干山梔(くちなし)色にも見えるが、確かに闇色の瞳をしている」



 魔獣たちは魔王が部屋に戻られた後、広間に集まり、魔王様の噂話をしていた。



「……彼が本当に魔王なのか、確かめてはどうだ?」


 群がる魔獣たちの後ろから、フードを深く被り顔を隠した者が徐々に近づいてくる。


「でも、もし、本当に魔王様だったら……」





 男は自分の胸元から何かを取り出すと、近くのテーブルに置いてあった篭の中から赤く熟した林檎を手に取る。


 林檎をテーブルの上にコロンと転がすと、手に持っていたサバイバルナイフで、真上から串刺しにする。


 重く鈍い音が部屋に響く。

 林檎を串刺しにしたナイフはテーブルを貫通する。


 軽く常に胸に閉まって置けるくらいの手軽な大きさだが、刃先を保護する皮から取り出した刃物の部分は、普段固い木の枝や根っこ、(ツル)を切っているのだろう。ギザギザに尖っており、間違って腕でもすれたなら肉をも引き裂かれそうだった。


 林檎は真っ二つに割れ、テーブルからナイフを抜くと、男は割れた林檎を満足げに眺めていた。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ