とある授業風景
「先生!!テスト終わった!!採点はよ!!」
「…マリア、一体どこでそんな日本語覚えたんですか…せめて授業中は敬語を使ってください、
宿題増やしますよ?」
「ごめんなさい敬語使いますから50ページぎっしりの宿題はやめてください。」
…そこまで嫌ですか、ノンブレスで言い切りましたよ…
「先生、生粋の外国人の私にはたとえ平仮名を書くだけの宿題でもあれはきついです。」
「そんな真顔で言わなくても…」
「それより採点!!何点ですか!」
「待って待って後これだけだから…よし!終わり。
あ、この間からあがりましたね、70点だったのが85点ですよ!」
「い、いよっしゃあああ!!!」
うんうん、努力が報われると嬉しいですよn…
「これで先生と乙女ゲーキャラについて語れる!!」
「頑張った理由ってそれだったんですか?!」
「当たり前です!今やってるのっでブショーが攻略キャラなんですよー
背景とかわからないとイマイチ楽しめないじゃないですか!」
そういうものなのですか…
「と、言う訳で!れっつ うんちくたーいむ!」
…突っ込んだら負けですねうん。
「それでね!今やってるのがちょっと前に日本で流行ったらしいゲームでね!
戦国ブショーがいっぱい出てくるの!!で、その中にノブナガって人がいてかっこいいの!!」
「あ~織田信長ですかね?」
「そうそれ!その名前!!なんかサルっぽいの従えてて美人な妹がいる人!!」
「豊臣秀吉と…お市かな?有名なのは彼女だった気がします。」
「有名ってことはほかにもいたの?」
「はい、確か姉妹だけでも15人いるとか言われてたりしますね。確かではないですが。」
「ええ?!」
「確かではありませんからね?ちなみに兄弟も11人くらいいるらしいですよ?」
「まじか…すげえ…」
「ほんとどこでそんな日本語覚えたんですか…お願いですから試験では言葉を気をつけてくださいね?」
「ういっす!で、織田信長って何した人?」
「…」
「かわいそうな子を見る目はやめてください先生。」
「そうですね~幼少時うつけ、つまり馬鹿ですね、と呼ばれていたんですが、日本を支配する一歩手前まで行ったと思ったら、側近に裏切られて志半ばで死んだ魔王様ですかね?」
「先生ざっくり過ぎる?!そしてちょっとわかんないよ?!」
「だってやった事が多すぎてこれ以上簡単には言えないんですよね。」
「もうちょっと詳しく!!」
「そうですねえ…年号とか抜きで行きますか、まだ教えてませんし。
幼少時から何かとやんちゃな織田信長は16の時に濃姫と結婚しました。」
「先生、やんちゃってどういうことですか?あと結婚早くね?」
「言葉使い…もういいです。
そうですねえ、彼の方はその時代にとっては革命的な考えの持ち主だったんです。
だからなのか他の方々は理解ができず、彼をうつけと呼んでいたんですね。
あとこの時代結婚適齢期はそのくらいだったようですよ?いつ戦で死ぬかわからないという理由で。」
「あ~いつの時代どの国でも理解できなかったら馬鹿にするのがデフォですよね~
そっか、結婚については、よく考えたらうちの国もそうだった。」
「そういうことです。
そして18の時に織田家の当主になりました。」
「若?!」
「父親が死にましたからねえ…その後引っ越ししたり、とある将軍と会ったり、有名な桶狭間の戦いで今川義元に勝ったりといろいろ功績をあげて魔王と呼ばれたり…」
「何だろう、先生が言うとすごいことやってるっぽいのに、散歩した程度のことに思える…言ってるのが先生だから?」
失礼ですね。
「その後も引っ越ししたり同盟くんだりを繰り返してますね。
その途中で妹の嫁ぎ先とも戦ってますね。」
「あ!しってる!浅井って人だよね!!なんか正義感がすごい人!!」
「その方もゲームに出てたんですか?」
「よくわかったね先生!」
グッジョブサインはいりません。
「浅井についてはまた今度にしましょう脱線しますし。」
「先生が自分から脱線するのをやめた…だと?!」
「宿題もっと増やしますよ?」
「申し訳ございません!!」
「全く、で、その後もいろいろなことをしてますね比叡山というところを焼き払ったり、
銃を使った新たな戦法を実行したり…」
「ひえーざん?って何ですか?」
「比叡山ですね。うーんこちらで言う アギオ オーロス と同じような感じの山だったんです」
「つまりは教会とかそれに関する施設があるところってこと?」
「そうです、日本の場合はお寺ですね。」
「へー…ってそれ焼いちゃったの?!ダメじゃん?!罰当たりじゃん?!」
「まあ、当時の比叡山は欲に溺れた僧侶の巣窟だったらしいので、
前後の歴史を見る限りでも信仰に否定的ではないので、この時は例外ではなかったのかと…」
「どんだけ酷かったんだ…」
「アギオ オーロス に私兵が集まって神父様たちが欲望の限りをしていたらどう思います?」
「…何それやべえ?!」
あら真っ青。確かにそうなったらやばいですよねえ…
「そういうことです。」
「うん、これは置いておいて。
銃を使った新しい戦法って何?」
「昔の銃は火薬を詰めて、発射し、掃除して、また火薬を詰めてという作業の繰り返しで、連射ができなかったのです。だから織田信長は鉄砲隊を三組に分けたんです。一組目が撃ち終わったらすぐに次の組が撃てるようになっているから、次から次へと銃が発射され敵が攻め入る隙ができないようにしたんです。」
「おお!!頭いい!!」
「そんな感じで次々と功績をあげて、あと少しで日本征ふk..こほん、日本統一出来ると言う時に、
本能寺で長年共にいた明智光秀に裏切られ、死んでしまったのです。」
「まるっきり【ブルータス、お前もか!!】状態?!」
「せめてそこはカエサルみたい!と言ってほしかったです…今度歴史の授業を一緒にしましょうね?」
「っげ!藪蛇だった!」
この反応だとまた世界史の勉強さぼりましたねこの子…
今度また問題集を作って渡しておきましょう。
コンコン
「あ、お母さんだ!もうこんな時間…先生続きは次の授業でね!
今日語れなかったゲームの魅力は次回に持ち越しね!」
「言っておきますが授業の後ですよ?今回は半分授業でもあるので例外です。」
「わかってま~す!じゃあ、また明後日の授業でね~!」
「ああ、待ってください宿題もありますから、今回は四択あってそこから問題の答えを選ぶ方式ですよ。」
「え?!なに今回すっごく楽できるほうじゃん!うわあ!ラッキー..何この量?!」
「私初めに言いましたよね?せめて授業中は敬語を使いましょう…と。」 (にっこり)
「っは?!」
「途中から敬語ではありませんでしたね?」 (にっこり)
「せ、先生…」
「明後日までにきちんとやり終えてくださいね?」 (にっこり)
「NOOOOOOOOOOOO!!!!」
ちなみに宿題は30ページぎっしりでした
彼女が次回の授業までに、できていたのかどうかは…ご想像にお任せいたします。
今回は日本語教えてる時の授業風景を…何か間違えてたら言ってください(ぺこり)
はい、よく脱線して最終的に何が言いたかったのか忘れたりします。
日本史から始まって世界史に終わった時もあります(なぜそうなったかはいまだ不明)。
宿題は本当にやらせました(にっこり)
感想お待ちしております(ペコリ)