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女優
「好きだよ。」
私を見つめる瞳。
その温かな瞳は私の姿を映す。
映る私は微笑んでいる。
温かい。…微笑み。
温かくみせた…微笑み。
「私も好きだよ。」
そんな風な答えを彼は望んでいて…
でもそれがすぐに言えないのは…
わからない。
…わからないふり…かもしれない。
はやく…はやく答えないと…
彼を傷つけたくはないから…
彼を…?
…本当に?
貴女はただいい子でいたいだけじゃないの?
…そう…かもしれないけど…でも…
でも…
いまはただ…
「私も…好きだよ。」
微笑む私。
微笑む貴方…。
誰のために…?
ああ…私は今日も女優になる。
「私はいったい…?
どこで間違えたんだろう…」