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修行の道のり

 俺は和久井真彦。至って普通の脇役だ。

 だが、合体技の訓練としてデートまがいのことをする羽目になりそうなんだ。

「友達同士でもそういうとこには行くわよね?」

 こういってるところを見るにゆめは行き先として、

デパートやショッピングセンターを提案することに何の躊躇も無いようだ。

 男と女でそういうとこに行くのは恋愛フラグだ。

 何でフラグというのかは俺も知らんが、

そういうのは大抵危ない。

 「俺はこの戦いが終わったら結婚するんだ」といったり、

懐中電灯がふいに壊れたりした時は別の意味で危ないのだが。

 しかしこのままだと俺は一気に望まない主役街道を歩むのでは?

と思っていた。

 それをゆめは見透かしたのか、こういってくる。

「仮にデートっぽくなってもあなたは私を引き立てる脇役よ。いったわよね?」

「二度いう必要はないが、本当に大丈夫なのか?」

「演劇部の私は目立ち方だってばっちり習得してるわ」

 ならいいが、突拍子のないことをされても困る。

 なので俺はこう釘を刺しておいた。

「悪目立ちする必要はないぞ」

「分かってるわよ」

 そんなこんなで俺はゆめと一緒に玉央学園の近くの電停で、

電車が来るのを待っていた。

「電車はまだ来ないのか?」

「いいえ、そろそろよ」

 チャイムと共に電車がやってくる。

 まだ部活中の生徒が多いのか、そこまで混んでははいない。

「帰りは混むだろうな……」

「そういうのに耐えるのも修行よ」

 俺はそうは思えなかったが、こう聞くことにした。

「ゆめは平気なのか?」

「私は演劇部として電車に何回か乗ったことがあるから」

「なるほど。で、平田ひらたまでは後何分だ?」

「そうね、今は通岡つうおかを出たところだし、3分あれば付くわね」

 それを聞いた俺はこういった。

「どこぞの光の巨人の活動限界か」

「作品によっては活動限界がなかったり長かったり短かったりするわね」

「割といい加減なんだな」

「まあ、割とそういうのは勢いで誤魔化す作品だからね」

 まあ、人間の巨大化は魔法が発達した今でも難しいといわれている。

 性別を変えたり同性間で子供を生んだりとかはできるのだが、

人間そのものの持つ性質を変えることはさすがに無理があるようだ。

「きりが無いし、そういうのは純粋に娯楽として楽しんだ方がいいな」

「そうね。そろそろ着くわよ」

 ゆめの言葉と同時に俺達を乗せた電車は平田へとたどり着く。

 そして俺は彼女と共にホームへと降り立ち、改札をくぐった。

 目指す場所は平田のショッピングモールだ。


続く

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