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幸美との戦い

 俺は和久井真彦。至って普通の脇役のつもりだったんだが、

 『魔道部』の入部希望者として現れた高見澤幸美とかいう奴に勝負を仕掛けられた。

「まあ、断るわけにもいかないしな。とりあえず、夏葵は机を運んでくれ」

 ちなみに実践の授業は教室でやっても大丈夫なようになってるが、

机とかは一応専用の保管所に移すのが鉄則になっている。

「了解よ」

 部室は教室を使っているので時間はかかるが、そこは割愛させてもらう。

「運び終わったよ」

 夏葵にそういわれたところで、俺は幸美に向き合った。

「さあ、行くぞ」

「かかってきなさい」

「審判は私に任せて。用意、始め!」

 俺と幸美はそういわれるや否や同時に駆け出す。

「行くわよ。フリーズブレード!」

 幸美は手に氷の剣を作り出した。

「そうは行くか。バーニングフィスト!」

 俺は炎を拳に纏い、それを放射する。

「この剣を解かされるわけにはいかないわ」

 しかし幸美はそういって後ろへ下がる。

「その剣がある以上は近づけない、とでも思ったのか!」

「踏み込んでくるの!?」

 俺は幸美にあえて踏み込んで行った。

 近づかれないと思っているなら隙が見えるからだ。

「だけど!」

 しかし幸美も的確に剣を振り回してくるので中々近づけない。

「さすがに場慣れはしてるみたいだな……」

 その的確さは仇になる。何しろ、剣の振り方がパターン化されてるのだ。

 まあ、剣の振り方に変化を付けれるならそれに特化して戦えば強い。

 何も一から氷の剣を形成して魔力を消耗するよりも、

手持ちの剣に魔法を込めればいいのだ。

「食らえ、バーニングフィスト!」

 俺の拳から放射された炎は幸美の持つ氷の剣を溶かしていく。

「中々やるわね……」

 剣について付け加えるなら近場の植物がある程度の量なら、

葉っぱから剣を作ったほうが維持に必要な魔力も低く済む。

 この教室には精々観賞用の植物がちらほらあるくらいなのでそんな真似はできないが。

「さあ、どうする?」

「まだ、参ったとはいってないわ!」

 幸美は俺に近づいてくる。拳に魔法を込めて殴りつけるつもりだろう。

「この距離なら蹴りをいれた方が早いな」

「読んでいたわ。フリーズナックル!」

 俺の右足の蹴りに対し氷の拳をぶつけ足を鈍らせる算段だろうが、そうはいかない。

 俺はそのまま右足を横に回し、その勢いで左足で回し蹴りを放ちながらこういう。

「バーニングトルネード!」

「うっ!?」

 炎を纏った回し蹴りは美幸の横腹に見事命中し、ダメージを与えることに成功した。

「そこまでよ。勝者は真彦ね」

 夏葵がそういい、勝負は終わりを告げたのだった。


続く

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