格闘ゲーム
俺は和久井真彦。至って普通の脇役だ。
俺はゆめと一緒に平田のショッピングセンターに来ていた。
俺はゆめの指差した格ゲーの前に立っていた。
そしてその媒体に100オラクル硬貨を入れる。
するとゆめも硬貨を入れた。
「さあ、やろう」
「分かってるさ。まずはキャラを選ぶ」
そして俺はこの格ゲーにカップリングしたゲームにおける代表格である、
小動物のようなキャラクターを選択した。
「そのキャラを選ぶのね。なら」
ゆめは幽霊のようなキャラクターを選択したようだ。
「それじゃあ行くぞ!」
対戦が始まると、俺はコントローラーを操作し小動物のようなキャラクターを動かす。
それに対応してゆめも幽霊のようなキャラクターを動かしていた。
先手を取ったのは俺だった。
俺の動かすキャラは中距離から攻撃できると思ったのだが、案の定だった。
ゆめも負けじとキャラを動かし攻撃してくる。
ガードを警戒したのか掴んできたのでそのままカウンターをかます。
掴むとは思ってなかったので咄嗟の判断だったが、
彼女は思ったより動揺したらしい。
彼女の動かすキャラの動きがあきらかな散漫状態に陥っている。
俺はすかさず攻撃をぶつける。
しかし彼女も気を取り直してガードした上で、体勢を立て直してきた。
(やるな……!)
周囲の迷惑になったらいけないので、俺は辛うじて感嘆の声を喉に留めた。
その後はお互い一歩も譲らない展開であったのだが、
ゆめのキャラは最初それなりに体力を削られているので結果論でいってしまえば彼女が不利だった。
そのまま俺はゲージを削りきった。
(最初に体力を削れていなかったら、どうなっていたか分からないな……)
俺はそう思いつつ、第二ラウンドへと移行する。
一進一退の戦いが進むと、覚醒ゲージが溜まったといわれた。
(出し惜しみはなしだ。こういうのを先に使ったら負けるかもしれないのは分かるが、それを恐れてもいられない)
そう思いつつ、俺は覚醒を発動した。
俺の操作するキャラの動きも明らかに変わる。
ゆめもそれを見て覚醒を発動した。
彼女のゲージも溜まっていたらしい。
(隙を見て覚醒必殺を打ち込むには、ガードするしかないか?いや、それは見透かされてるはず)
そう思い俺はキャラにバックステップを踏ませる。
すると彼女のキャラはそのまま突っ込んでくる。
なので俺はカウンターとして覚醒必殺を操作してるキャラに発動させ、
彼女のキャラをそのまま倒すのだった。
二ラウンドを獲得したので、俺は勝利をもぎとった。
「さすがにやるわね。でも、次はきっと負けないわ」
実際、俺が勝てたのもビギナーズラックだろう。
少なくとも俺は次にやって勝てる自信なんてなかった。
続く