出会い頭
俺は和久井真彦。至って普通の脇役だ。
俺はゆめと一緒に平田のショッピングセンターに来ていた。
そこでシューティングを待とうとしていたのだが、
ゆめに夏葵との出会いのいきさつを聞かれた。
「それはシューティングが終わった後だな。さすがに三分で済ます自信がない」
「ならいいけど」
ゆめもとりあえず納得してくれた。
実際、話す気がないわけでないのでシューティングが終わったら話していい。
しかし気恥ずかしいのでできれば有耶無耶にしたい。
と思っていると前のやつのプレイが終わり、
俺達の番になった。
「それじゃあ、やるぜ」
「そうね。これも訓練の一環。手抜きはしないわ」
それぞれが向かった媒体に100オラクルを入れ、
コントローラーを手に持つ。
お気に入りのキャラを選択し、ゲームが始まる。
「ゆめはそのキャラを選んだのか」
「あまり人気はないらしいけど、私は素直な子が嫌いじゃないから」
そしてステージに移動し、開戦。
ステージも立体感を生かした物だ。
敵PCが現れたのですかさずトリガーを引く。
敵の反撃を受ける前に身をかわしつつ、隙を見て狙い打つ。
魔道とは違いひたすら距離を取るのが射撃の時の極意らしい。
俺はこういうゲームが好きだからそれなりの腕は持っている。
上手い奴にはあっさり距離を詰められやられてしまう。
今のところ相手は下級ランクだから上手く立ち回れているが、
かといって油断も出来ない。
下級ランクの相手は爆発力があるため、油断すると足元を掬われる。
爆発力を警戒しつつ何とか被害を最小限に食い止め、
他の敵を探す。
するとそこには上位の敵が居た。
「さすがに俺みたいな少し立ち回れるくらいの奴が一対一でやるのはきつい」
「分かってる。下級の相手が復帰する前に一気に畳み込む」
強い相手には数の優位で押し切る、これがシューティングにおける鉄則だ。
力で数を押し返すことも現実ではままあるが、
これはランク差制限のあるゲームなのでそんな事態にはならない。
そのまま上位の奴も倒し、それからこちらのチームの優位のままゲームは進んだ。
そして俺達は勝利を掴んだのだ。
俺達が媒体から離れたと同時に、俺はゆめにこう問いただされる。
「で、夏葵との出会いはいつだったの?」
「出会ったのは結成三日前。今から五日前のことだな」
「三日前ってことは月曜日ね。7月に入ってすぐじゃない」
きっかけについて問われるより先に、俺はこういった。
「きっかけは、ちらしだったんだ」
「ちらし?どうしてあなたはそのちらしに興味を持ったの?」
続く




