表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/61

ロボットのぬいぐるみ

 俺は和久井真彦。至って普通の脇役だ。

 俺はゆめと一緒に平田のショッピングセンターに来ていた。

 俺達はゲーセンに向かっていた。

 そこのキャッチャーで、ゆめはぬいぐるみを取ろうとした。

「それは星天戦記トランセイバーの主人公機、トランセイバーだな」

「ぷちっとロボが珍しいと思ったんだけど、それってメジャーなの?」

「TS物だな。結構マイナーな作品だ」

「へえ。私性転換物なんて『マジカル☆シンデレラ!』しか知らないわよ」

 俺はすかさずこう突っ込んだ。

「地味にそれもマイナーなんだが」

「たまたま書店で見かけたのよ。恋愛物だとかいってたけど」

「あの作品は恋愛パートなんてほとんど無いぞ。コピペした変身シーンと同量程度だ」

「それ、作者は随分楽をしてるわね」

「小説で変身バンクを使うのは画期的な試みだと思うが、賛否両論ありそうだな」

 俺はそういう批評サイトはあまり参考にせず、その手の物は慣性で見るタイプだ。

 欝気味な作品かどうかについては、そういうサイトがかなり役立つのだが。

「ふうん。でもこの手のぬいぐるみは珍しいし、やってみようと」

 キャッチャーの上にはリングがある。

 そのリングは念動魔法を弾く役割を兼ね備えており、

キャッチャーの『取れそうで取れない』感を出すのにも一役かっている。

 本当に欲しい景品があるならそういうのを売ってる店もあるし、

そういう店が近くにないならネットオークションで落とせばいい。

 つまるところキャッチャーはあくまでも遊びなのだ。

「ああー、途中で落ちちゃった……」

 とか考えているうちに、ゆめはぬいぐるみを落としたようだ。

「この距離なら、精神を研ぎ澄ませればいける」

 俺はキャッチャーのコイン入れにコインを入れ、

キャッチャーを動かす。

 絶妙な位置にキャッチャーが動き、そのアームはリングを掴む。

 リングに吊り下がっているぬいぐるみも一緒であり、

そのぬいぐるみは落ちずにそのまま穴へと動いていく。

 穴に落ちたぬいぐるみはそのまま出口へと出され、

俺はその出口からぬいぐるみを取る。

「一発で取るなんて……」

「ゆめがひっかけてなきゃ、取れなかった。お前のおかげだ」

 そういいつつ、俺はぬいぐるみをゆめに渡す。

「いいの?これはあなたが取ったのよ?」

「いいって。こういうときはそうした方が絆も深まりそうだしな」

「あなたもそういうところがあるのね」

 俺は脇役志望だが、女の子の前では少しかっこ付けたいのだ。

 脇役でもそういうキャラは居るし、これは別に問題ないだろう。


続く

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ