表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/61

ラーメンと通信器具

 俺は和久井真彦。至って普通の脇役だ。

俺はゆめと一緒に平田のショッピングセンターに来ていた。

 そんでもってラーメンの行列に並んでいた。

 ようやく俺達の番が来たので注文を取る。

「塩ラーメン一つ」

「俺は味噌ラーメンの餃子セットだ」

「合計1650オラクルになります」

 ゆめが700オラクルを俺に渡していたので塩ラーメンが700オラクル、

味噌ラーメンの餃子セットが950オラクルだ。

 オラクルは俺達の国の硬貨で、大卒生の初任給が大体20万オラクルだ。

 まあ、ラーメンの餃子セットなんてこんな値段だろう。

 痛い出費では無いが、ちょっと奮発している感じがする。

「はい」

 俺はレジ係に1700オラクルを渡し、おつりとして50オラクルを貰った。

 そして渡されたのは番号が刻まれた簡易通信石だ。

 ラーメンはできるまでに時間がかかるので、

簡易通信石を渡して貰いでき上がりまで待つ仕組みになっている。

 簡易通信石はスマートフォンに使われているもの程ではないが小型で、

粗悪な物なので何か起きたら色が付くくらいの通信しかできない。

 ただそうはいっても緊急時や呼び出しといった簡易な物であれば、

色が付くくらいでも充分なのでコストの安さを理由に使われているのだ。

「色が緑色に変わった……」

 ちなみに簡易通信石は青色で、赤は緊急用として使われる。

 青や赤以外は好みによって照らされるため、

事前に身内だけで使って合図にすることもできる。

 とはいえ悪用する場合はいくらか人数が必要なので、

トランシーバーみたいな物だと考えられ規制は取られてない。

 魔法によるテレパスがあるといえばあるものの、

やはり魔力を使うためトランシーバーを使った方がいい場合もある。

 魔法は万能にも思えるが、際限なく使えるわけではない。

 そのため通信器具は開発がそれなりに続けられており、

今ではスマホの開発競争が進められているのだ。

 そう考えつつ俺はラーメンを取り、

それに胡椒を入れる。

 ゆめはラーメンに何も入れなかった。

 席に戻ると、俺は彼女にこういわれた。

「真彦ってラーメンに胡椒入れるんだ。喉渇かない?」

「胡椒入れたほうがおいしいしな。喉の渇きなんて気にはならない」

「そういうものなのね。渡し、あまり水は飲みたくないから」

「むくれるからか?」

「まあ、むくれは心配だからね」

 怒らずにこう返す辺り、演劇部としてそういうのにも気を使っているらしい。

「とりあえず、いただきますだな」

「いただきます」

 こうして俺達はラーメンをすするのだった。


続く

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ