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鬼畜な道への異世界生活  作者: 野上一也
18/19

依頼

次の日の朝


レイは槍を持って井戸に向かい顔を洗う。

そして、槍を振るい新たな感触を慣らしていく。重さは5キロほど増え穂先も以前より大きくなっている。最初は慣れない細かな違いの修正に苦労したが、少しはまともに振れる様になってきたので

訓練を終え、体を洗い。部屋に戻り鎧を着込む。下におり、ニーナに朝食を頼む。


「今日は確か初依頼ですよねー。怪我には注意して帰って来て下さいねぇ」


昨日は1日口を聞いてもらえなかったが少しは軟化したようだ。


「はい。気をつけます。心配してくれるんですね」

ニーナは少し顔を赤らめる

「ち、違います!宿のためですぅ。はい、これお昼ご飯です!」


「はは、ありがとう。ま、といっても薬草採取だけどね」




レイは朝食を取り終え、

早速町の外へと向かう。


町の外へと出る時にローブを深く被り、ちらっと門番を見る。


…違う。この人じゃない。良かったぁ。

名前なんだっけ、確かカイルだっけ?



1時間ほど歩きようやく森に入る。


「そういえば薬草なんて探した事無かったなどんなのなんだろ…取り敢えずそれっぽいの片っ端から探すしかないか…」


取り敢えず、近くの草を鑑定する


《雑草》


《雑草》


《雑草》


うん、雑草ばっかりだ。


50回しか鑑定できないんだから

片っ端からはダメか。

それっぽいのがあったらやるだけにしよう。


ん?これはどうだ?

《カミ草》

違う。まぁいちを、採取と

これか?

《クサ草》

違う。いちを、採取と

《ニガ草》

違うな。後さっきからちょっとダジャレが効いてるな。まぁ、採取と

《魔力草》

お!あった!紫の斑点があるのが魔力草か

お!これも魔力草じゃないか!?

《毒草》

怖!え、でも、紫斑点が…先端がこれは紫だな。これが違いかな?

《薬草》

お!あった。あった。

《薬草》

うん、またあった。薬草は全身が黄色の草なんだな。うん分かりやすい。


午前中一杯探し周り

薬草 40

魔力草53

ニガ草70

クサ草32

カミ草16

毒草10

コレだけ集まった。あれ?こんだけ集まるなら1日でEランク行けんじゃないか。

深皿に水を入れ根っこに着いた土を取っていく。何度が水をかけようやく、全部綺麗にし終える。そして10束ずつに昨日帰りに買っておいた。短い紐で括っていく。


正直、持って来いという依頼なので、ここまで、する事はないかも知れないが、こうした方がティアさんも仕事が楽だろうという思いやっているだけだ。


全てを終わり昼食にする、お昼はサンドウィッチだ。

レタスのような野菜とニードルラビットのにく、そして、チーズを挟んだパンを食べる。

肉に塩味がするが、それだけだ後は素材の旨みだ。うん、美味しい。これからもサンドウィッチ頼もうかな。その後果実を食べ、10分ほど休んだらまた、探す。


5人ほどおそらく同じ薬草採取をしている人達に会った。下は13歳ぐらいから上は17歳ぐらい。うん、俺が一番浮いてるね、そもそも薬草取りに来るカッコじゃないしね。会った人も半分は不思議そうな顔をして、もう半分がイヤ、狩りに行けよって顔だった。

おれもそうしたいよ。でも、Fランクだし


お、見たことない草

《麻痺し草》

あ、了解です


夕暮れになり、他の子も帰り出したので俺も帰る。

町に着くまで今日は1度も魔物に会わなかった。良かった。

門に着く前に草をアイテムポーチから背中のリュックに移す。

多分だが、サポーターとか入るぐらいだし

多分アイテムポーチはみんな持ってる物ではないのだろう。あんまり、目立つのは避けたいので、リュックに移したのだ。


ローブを深く被り無言で、冒険者カードを門番に見せる。

門番はカードをチラリと見て頷く。

なんてゆうか緩いよね。うん。


ギルドに到着し開けるとそこは人で溢れていた。カウンターの横の酒場で酒を飲む冒険者が30人近く依頼の受付に並ぶのが20人近く、買取カウンターに並ぶのが30人から40人近くいる。


コレは待てないな。並ぶのしんどいし

仕方ないのでレイもカウンターの横の酒場に行きエールを注文する。


…ああ、美味い。疲れた体に酒が染み込んでくる。コレで冷たかったら100点柿ピーがあれば120点ポテチが唐揚げがあれば320点だ


近くの冒険者の話に耳を傾けつつ、エールを飲む。ぐびぐび。

へぇー最近魔物が少ないのかー

へぇー盗賊をみなくなったのかー

へぇー殺人鬼が近くに居るのかー


後半の出来事は聞かなかったことにしよう。

忘れるために酒を煽る。ぐびぐび。

合計三杯ほど飲みようやく買取カウンターが10人ぐらいになったので銅貨を払い並ぶ。そして、やっと自分の番になったのでフードを取る。


近くにいた人の視線が自分に集まった気がする


「買取お願いします」


受付に居たのは昨日ティアさんの横でジロジロ見てきていた猫人族の女性だ。


「にゃ、昨日の新人さんだにゃ。私は受付のサーラだよ」


「レイです。よろしくお願いしますね。サーラさん。えっと薬草が12束と魔力草が14束です。お願いします」


「おおー沢山集めたにゃー、確認するよー。綺麗に洗って纏めてくれてるー。新人にしては気が利いてるにゃー、レイくん。地味に嬉しいよー。レイくんはいい冒険者になるよきっと」


「ははっありがとうございます。あ、そうだ。ニガ草と、クサ草と、カミ草と、毒草と麻痺し草も集めたんですがこれって依頼は出てたりしないんですかね?」


「おー。レイくんは草に詳しいにゃー。えーーと、うーん。調合の素材としては使えるんだけど今は依頼はにゃいにゃー。天日干しにして、依頼が出たら提出する事をお勧めするニャー。あ、クサ草は素材ににゃらにゃいから入らにゃいよー」


ナニィ!?一番採取に苦労したのに!取るとめっちゃ臭いつくからさ!しかも一番量多いのに!要らないのかよ!!あ、かなり悔しい。


「そうだったんですか、知りませんでした。」


「ドンマイだにゃー。でも、常識だよ、それはー。単に臭い草なだけだしぃにゃ。うん全部あるにゃ。はい、買取価格は大銅貨1枚銅貨3枚にゃ。後これ代わりの紐にゃレイくん早速ランクアップおめでとー」

パチパチと拍手してくれるが是非ともやめて欲しい。


周りからFかよ。あの装備でとか、あの歳でとか、貴族の坊ちゃんは良いよな、とか色々聞こえてくるからさ。


「カードを変更するから少し待ってにゃー。

すると、ティアが受付が空いたのか近寄ってくる


「あ、レイさん。ランクアップおめでとうございます。ドラゴンは見つかりましたか?」


「ええ、でも、寸前の所で逃げられてしまいましたよ」


「ふふっ、まぁそれは大変。早速ギルド長に報告して、緊急依頼を出さないとね」


「え、冗談です。すいません勘弁してください」


「まぁ、レイさんったら騙すなんてヒドイわぁふふふ」


「いや、絶対確信犯じゃないですか。そういえば薬草採取で20束って結構楽に上がりますよね。こんな簡単にランクアップしちゃっていいんですか?」


「ええ、いいんです。簡単にランクアップ出来たらゆくゆくはSランクになってやる!とかって感じでやる気が出るでしょ?若い新人の子の緊張を解すために最初は簡単にしてるんですよ。それにあんまり、薬草を安く買い取ると誰も取ってくれなくなるんですよね。絶対に必要なものですから。こうなってしまうんですよね」


「なるほど色々あるんですね。でも、あんまり簡単だと調子に乗っちゃうじゃないんですか?」


「ふふっ大丈夫です。新人の子は大抵初戦闘で痛い目に遭って帰ってくるか来ないかですから。」


「来ないかって、、、なんか悲しい話ですね」


「ええ、でも、初戦闘の人には出来るだけ定期的に開催してるEランク冒険者講習会に参加して貰うようにしてるんです。レイさんも参加しますか?」


「講習会ですかぁいつあるんですか?後、内容は?」


「内容はニードルラビットとの戦闘そして、解体の仕方ですね」


「そうですかぁー。戦闘はともかく正直解体ってあんまり得意じゃないんですよね。皮剥が上手く出来なくって」


「うーん、それならやっぱりパーティかサポーターを付けるかですね。サポーターの方は基本的に解体も上手ですし」


「なるほど…ではパーティは心当たりもないので、サポーターを探してみることにしますよ」


「にゃーティアレイくんを横取りしちゃダメにゃ。私のお客だよー私が相談乗ろうと思ってたのにー」


「仕事が、なくて、暇でしたのでつい。それにサーラ居なかったですし」


「へぇーにゃら、ティアこの書類整理お願いしますにゃーティアは仕事がにゃくて暇だもんにゃー」


「え!そんな、それはズルいですよ。」


「知らにゃーい。暇にゃら仕事を振り分けにゃいとにゃー。にゃふふ。あ、レイくんこれが新しいカードだにゃ」


みると文字は読めないが一間版下に大きく書いてある文字がかわり、カードの色も緑から黄緑になった


「では、後ろも並んでいるのでこの辺で失礼しますね」


「えーせっかく、急いで片付けて来たのににゃー。むー」

いや、そう可愛く言われても無理だ周りの視線が前、刺さった矢より痛いもの。


「後ろの方をお待たせする訳にも行きませんから。私も名残惜しいですが、また時間がある時に相談させて下さい」


「ちぇーわかったよー」



視線に耐えつつ、ギルドを抜けて、宿に帰って行く。



次の日、本日も冒険者として、活動する

夜明けとともに槍の訓練をする

そして、朝食をとり。本日からは通常依頼を受けるため、まずは冒険者ギルドへと向かう


ギルドへ入るとすでに人で溢れていた。どうやら乗り遅れてしまったらしい。訓練に夢中で開業から30分近く経ってるしな。


昨日教えてもらったEランクの掲示板の所に行くとどうやらEランク冒険者が一番多いらしく、前の方は人気のあるのを取り合っている。まぁ、おれは文字が読めないから取り合っても仕方ない。


サポーターがいる方へと向く、サポーターは10人近く居るらしく、俺が近づいたのが気づいたのか何人か視線を向けてくる。

フードを外し、全員の顔をよく見る


たぶん、身なりの良いのは高ランクのサポーターで、少年少女が低ランクのサポーターなのだろう。さて、誰にしようか…。


すると1人の少女が近寄ってきた

「お兄さん、サポーターを探してますか?」


「あ、ああ。実は今日Eランクになったばかりでね。討伐系の依頼を受けようと思うんだけど。文字が読めて、解体もちゃんと出来る子を探そうと思ってたんだ」


「…なら、私、出来ます。報酬は7:3。3が私。」

《ステータス》

鉱山族

名前 ミーシャ

年齢 15歳

レベル 3

体力 100

魔力 100

・身体強化レベル1

・鍛冶レベル1

・回避レベル1


褐色の肌に銀髪の目のクリクリした女の子は将来はかなり期待できる。少し痩せ気味で、服も黒のワンピースがかなり使い込んでいるのがわかる。腰には小さな短剣を刺し、腰袋と水筒を持っている。短剣さえ無ければ遠足にいく格好だな。


ドワーフかドワーフの女の子は細身で小さくて褐色なのか。


「そうか。じゃあせっかくだしお願いするよ。レイって呼んで」


「ミーシャです。どの依頼にするんですか?」


「文字が読めなくてね、討伐なら、何でもいいよ。まぁ出来れば森に沢山いて、報酬が高いのが嬉しいけど、でも、大分持ってかれてしまってるみたいだね」


「大丈夫です。人気のあるのは街中でも比較的楽で報酬が良いところ。討伐系は人気ないです。」


「あれ、そうなのかい?てっきり討伐は人気なのかと」


「Eランクはお兄さんみたいにいい装備を持てるわけでは有りませんから。」


「ああ、なるほど…じゃあ討伐は何があるの?」


「この中だとフットラビットがオススメです。フットラビットは常に複数で行動しますから、一度見つければ、倒せさえすれば一気に報酬が増えます。一匹で、肉、皮、魔石が売れます。たぶん一匹大銅貨1枚ぐらいです。それとは別に5匹倒すと討伐証明で大銅貨3枚です。5匹も倒さないといけないので、初心者には人気がありませんし、実力者は、Dランク以上の依頼を受けるので。フットラビットは森にそれなりに居ると思います。どうしますか?フットラビットに自信がない場合なら、」


「ミーシャは物知りだね。ありがとじゃあそれにしよっか。取って来てもらえるかい?」


ミーシャは少しツンとした顔をして、淡々と説明してくれた。


「はい。分かりました。」


すると、ミーシャが人の中に埋もれ暫くすると戻ってきて、これですと紙を渡してきた。


「ミーシャ、ありがと。じゃあ受付に行こうか」

ミーシャの頭を撫でる。相変わらずツンとした表情だ。列に並ぶ

「ミーシャはサポーターとして長いの?」


「…いえ、半年くらいです」


「普通の冒険者とかにはならないの?あ、いやなんか身体能力同じくらいの歳の子より高そうに見えたから」


ピクッとミーシャが一瞬こちらを向いて

また前を向いた


「そのうちなってみせます。装備がちゃんとしてないと受付で受理してもらえないんです。」


「そっかぁ。じゃあミーシャの装備のためにも頑張らないとね」


「油断と慢心させ、しなければ普段と同じで構いません。無理をされても困ります」


「あはは。そうだね。ミーシャは手厳しいなぁ。そういえばフットラビットは解体した事ある?」


「はい、もちろんあります」


「そっか、じゃあ安心して任せられるね。皮もいるって事は出来るだけ頭を狙うようにしないとねー」


「…確かにそうですが、フットラビットは必ず複数で居ますし、連携も取りますから。余り考えないほうが良いかと」


「あははそうだね。あいつの蹴りは痛いんだよねぇ」


「…そうらしいですね。戦った事があるんですか?」


「うん、ついこの前まで森で道に迷って暫く森の中で野宿してた時に会ったよ。いやー脚が速くて驚いたよ。ははは」


「…なるほどその時蹴られたと。良く生きて帰れましたね。」


「まぁ、悪運は強いからねぇ」


「それは、全くもって嬉しくありませんね」


そんな感じで暫く雑談していると、

やっと自分の番になった。

受付はティアだった


「あら、レイさん、サポーターの方と組んだんですね。ミーシャさんは若いですが、知識も豊富ですし脚が早いですよ。

…お優しい方ですし。

そして依頼はフットラビットですか、…ミーシャさんから聞いていると思いますが、複数で行動する魔物なのでお気をつけ下さい。そして、こちらが良くフットラビットを見かける場所になります。」


ティアは森の地図を見せて場所を何箇所か刺してくれてた。なるほどなるほど


「分かりました。参考にします。じゃあミーシャ行こうか」


「はい、よろしくお願いします」




そして、森に着いた。

「ミーシャ。居そうな場所に案内してくれないか?もし、魔物に遭ったらすぐに私の後ろに来てね」


「はい。ではまず、川の中流を目指しましょう良く水を飲みに来ていると聞きますから」


「あーそーだね。前に遭ったのも川だったよ。いちを、聞くけどミーシャは武器は使える?」


「?サポーターなので、戦闘への参加は出来ませんが」


「あーいや、そうじゃなくて極力そうならないようには気をつけるけど、もしかしたら、戦闘中にミーシャの方にも走って行ったりするかもだし」


「なるほど、正直いえば武器系スキルは持ってません。短剣は少しだけ扱える程度です」


「なるほど、気をつけるよ」



「お、早速獲物だね」


「え?」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

(ミーシャ視点)


私は、孤児院で育ちました。友達もそれなりに居たし先生の事も今でも大好きだ。

でも、孤児院に居れるのは15歳の成人する前までだ。そして、私も成人し、冒険者になった。この半年で、色々な事があった。最初は毎日の食事が食べれるかどうかの日々。薬草採取をすれば良いと思うかもしれないが、採取場所は森の入り口の辺りは皆入るので競争になってそんなに採れないし、奥に行けば魔物が出る確率が格段に上がる。

だから、私みたいな対した武器もなく戦闘経験もない子は、受付から絶対に許可するまで奥に行くなと耳が痛くなるまで、言われる。

実際、奥までこっそり入っていた子が

次の日死体で見つかったなどという話は本当によくある。


なので、最初は森の入り口を歩き回って薬草を探すか町のなかでの依頼を受ける


正直宿代だけで精一杯で満足にご飯を食べる事はこの2ヶ月はとっても大変だった。


2ヶ月目でサポーターとして、生活を始めたが正直私を付けてくれる人達は少ない。

それはそうだ。誰でも足手まといになりそうな女の子と体の大きな男の子の2人のサポーターが居れば誰だって後者を選ぶ。


私みたいな女の子のサポーターは基本残りものだ。それか、いやらしい目をした男にしか誘われない。

そういう人のサポーターになった子は後で、泣く羽目になる。選ばれない日は、薬草採取に向かう。そして、スキル持ちなってからようやくちゃんと選ばれるよくになった。


最初は解体のやり方が分からなくて何度も怒られたし、他にも理不尽だと言いたい事も遭った。報酬が1:9とかは普通にあるし。


そして、半年が経ちあの人に遭った。

カモだと思った。いや、別に悪い事をするつもりはないが。

レイさんの事は前日から知っていた。

他のパーティのサポーターとして参加し買取の所で話声が聞こえてきた。


金髪の貴族様だと最初は思った。いい装備してるし、清潔感があって……カッコ良いし。


話を聞くと、平民で最近この町に来た事。今日Eランクに上がったこと。そして、サポーターを、探すという話だった。

実力は分からないがなんか、純粋そうだし。装備からして羽振りは良さそうだ。


明日見つけたら誘おう。そう決めていた、

そして、見つけた。なので他の子が声を掛ける前にこちらから掛けた。

背後から睨む視線を感じた。特に女の子から。同じ孤児院出身の仲の良い子も睨んで居た


仕方ないでしょ。貴方達が恥ずかしがって声掛けないのが悪い。私は羽振りが良さそうだから声を掛けただけだけどね。…本当よ。


案の定羽振りは良かった

7:3と少し吹っ掛けたらそのままOKだった。

ソロなら普通は8:2だ。少し多い。

パーティのサポーターは安全性は高いがその分荷物は多いし、嫌なパーティだと囮代わりに使われたりする。

ソロはその分、荷物的にはサポーターにとってはソロの方が楽だ。

もちろん危険も高まるがそもそも、

ソロをしている時点で、馬鹿かちゃんとした自信があるかの2択だ。

そらにもし、危なくても、

私は逃げるのは得意だし。レイさんも装備はしっかりしている。レイさんの言う条件通りに

フットラビットを推した。フットラビットをソロで狩りに行く人は普通居ない。

何故なら必ず怪我するからだ。1度見つかれば逃げれないし、囲まれて袋叩きにされるから、いくら倒すことは簡単でも苦労はする。


でも、受付で受理されるか心配だった。

それにレイさんと話せば話すほどこの人は絶対お人好しだと確信できた。

だから少し罪悪感が芽生えてきた。実はソロの人は普通やらない依頼なんですと正直に話そうかちょっと迷ってた。


でも、早くお金を稼いでちゃんとした冒険者になりたかったのだ!

ちゃんと鎧を来て、ちゃんと武器を持って。ちゃんと冒険者をやりたかった。

そして、いつかきっと。いつかきっと…

樽一杯のエールを飲むんだ!


受付にはあっさり許可が出た。

お優しい方ですしとか皮肉を言われたけど



そして今


前を見るとフットラビットが7匹川で水を飲んで居た。


「な!!レイさん。7匹も居ます!!ここは見つかる前に回避しましょう。2匹か三匹のグループを探しましょう!!!」


「うーーん、残念ながらそれは難しいみたいだね。ほら俺たちの事がバレちゃったみたいだ」


フットラビットがこちらに気づき鳴き声をあげていた。



最悪だ7匹はかなり多い。レイさんが戦ってる間に逃げてしまうか。どうか、ちょっと悩んだ


とりあえず様子を見ることにした。レイさんが危険なら逃げる上手く追い払えれたら、早く2人で移動する


うん。考えをまとめ前を見る。


……。


そこには一方的な蹂躙が広がっていた。


まず、いつの間にあんな前に移動したのか

それに私にはレイさんが振るう槍が速すぎでなんとか見えるといった程度だ。

回避スキル持ちの私でも絶対避けるのは無理だと確信が持てる。それぐらい早かった。


たったの5振り。5振りで7匹全ての首が取れていた。


どうやら、本当に当たりの様だレイさんは。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

視点戻ります)



呆気なかった。

前はもっと苦労した気がするんだけどなぁ

盗賊でのレベルアップの影響かとても動きがわかりやすいし、前より余裕が出来たから視野も広がった気がする。


《ステータス》

名前 レイ

年齢 20歳

レベル 7

体力 280

魔力 51

武器スキル

・槍術レベル3(57/800)

特殊スキル

・身体強化レベル2(40/250)

・精力強化レベル1(4/50)

・鑑定眼レベル2(80/250)

・強奪レベル1(4/10)

・音声翻訳レベル1(8/50)

・悪食レベル1

・隠蔽レベル2(5/250)

マイナス系スキル

・鬼畜レベル2(4/500)


レベルは上がらなかったかぁ

ん?強奪が上がってるってことは脚力強化を取ったってことか、なるほど。

さて、頑張って全部首跳ねるようにしたいさっさと血抜きをしないとな。


「ミーシャー終わったよー」


「……」


「ミーシャー。ミーシャ?」


「はっ!! あ、すいませんぼーっとしてました。」


「え?もしかして、疲れた?」


「いえいえ、そうではありません。で、では早速解体しちゃいますね」


そして、ミーシャは手際よく解体していく。

なるほどなるほど、そうやるのか。

うん、今度挑戦しよう1人の時に。


解体が終わりまた探す。

5匹見つける。瞬殺。解体。

3匹見つける。瞬殺。解体。


最後の3匹の時はミーシャは見つけるなり、カバンを置いて、解体用のナイフを準備していた。


正直、戦うのは3分ぐらいで終わっても見つけるのに2時間くらい掛かる


暇なので

ミーシャと色々な話を聞いていた

この辺に出る魔物のことや、町についての事など色々聞いた



「レイさんは今まで何をしてたんですか?」


「ん?まぁ…ブラブラと一人旅かなぁ」


「なら、今まで冒険者になってなかったんですか?」


「…そんなにお金には困ってなかったからかな。うん。ねぇミーシャこの町にはあんまり強そうな人多くないよね?」


「そうですね。トュルエラは安全な町ですからね。そんなに強い魔物も居ませんし。初めて冒険者になる人が来る町ですかね。なので、居ても中級の方だけで、BランクやAランクの方は居ませんね。そういう方は強いモンスターが多い魔の森があるペルスターの街や、ダンジョンがある学園都市。それか王都ぐらいではないでしょうか。」


なるほど、いい話を聞いた。ペルスターに学園都市ね。もう少しレベルが上がったら行ってみよう。ダンジョンは男の浪漫だし。


「そうだったんだ。知らなくて、来たよ。ならこの町で冒険者になって正解だったね。どの街も行ったことないからいつか行ってみたいね」


「あれ?旅で寄らなかったんですね。」


「う、うん。そうなんだ。よし、そろそろお昼にしようか」


「あ、はいどうぞ」


川の近くに2人で休憩する

レイはカバンからサンドウィッチを出す


「あれ?ミーシャは食べないの?」


「はい、朝と夜しか食べないので」


「そっかー。でも、お昼は食べた方が元気がでるよ。あ!そういえば…はいこれ。」

レイはカバンからピピの実を2つ出す。


「え?」


「いや、2日前に美味しくてつい沢山買っちゃってさ。腐らせるのも勿体無いから。毎日食べてたけど、まだ4つも残っててさ。だからせっかくだし、どうぞ。朝食べた時はまだ大丈夫だったし」


「い、いいんですか?」


「うん」

レイはミーシャの頭を撫でてピピの実を渡す。ミーシャは少し顔を赤くして、実を食べていた。


その後、6匹倒して、時間になった。ミーシャが持つ荷物はパンパンだいや、だいぶはみ出ている。7、5、3、6の21匹分あるのだから。

少し持とうかと何度か聞いたがハッキリと断られた。顔を顰め重そうにしながら歩くミーシャとそれを心配そうに見ているレイは

日が暮れる前にギルドに着くことが出来た。


ギルドに着くとツンとしつつどこか誇らしげなミーシャとそれを見る他のサポーターの顔が妙に印象的だった。


「あれ?レイさん。並ばないんですか?」


「あーうん。まだだいぶ混んでるみたいだし、酒場で時間潰そうよ」


「そうですか。分かりました。」


「ミーシャ飲み物何にする?奢ってあげるよ」


「え!!いいんですか!?」

ミーシャの顔が今日一番輝いていた。


「うん、えっとじゃーエールとミーシャはジュースか「エールで!!」…うん、じゃあエール2つお願いします」


そういえばミーシャドワーフだったな。エールやっぱり酒好きなんだ。でも、15だし良いのかなぁ?

まぁ店員が何も言わないから良いんだろな


エールが来るまでずっとミーシャはチラチラと厨房を見ていた。


エールを、ミーシャは魂に刻み込むかの如く真剣に飲んでいた。話し掛けても全て無視された。ちょっと傷ついた。


おれとミーシャで3杯ずつエールを飲んで

買取カウンターに並んだ。ミーシャはずっとおれの腕に抱きついていた。


この子チョロすぎる。ミーシャの将来が少し心配に、なった。


「お待たせしたにゃ、おおーフットラビット沢山狩ったのにゃー。す、凄いにゃ21匹も有るにゃ!…これどれも皮に傷が、ついてにゃい!全部首を落としたのかー。レイくんは凄いにゃ!…えーと討伐ポイントが4Pそして、銀貨3枚大銅貨5枚にゃ。」


「ありがとうございます。ほらミーシャ取り分だよ?」


「ふふふふふー。レイさぁん」

ダメだ。酔ってるわけではないと思うんだがミーシャはどこか別の世界へ思考がトリップしている。仕方ないので、取り分をポケットに入れておく。

その後ミーシャを元に戻すのに20分ほど掛かった。

顔を真っ赤にして走って去っていった。


とりあえずミーシャには酒を与えないようにしよう

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