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鬼畜な道への異世界生活  作者: 野上一也
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漢の闘い

しょーもないお話です

読まず飛ばして貰っても構いません。

レイは静かに相手を伺う。

相手はレイにとっては初めての女性が相手だ。若い。とはいっても20代前後だ。レイはいつもであれば冷静に、鑑定し、相手のスキルを確認したであろう。だが、初めての女性の敵という事もあり、そんな考えは頭になかった。

戦闘では常に冷静であらねばならない。

だが、今回のレイはとても冷静というわけではなかった。もちろん、先ほど酒を飲んでしまったせいもある。だが、それよりも、この闘いの喜びに興奮しており、頭の中に冷静などという言葉は欠片もなかった。


相手は一見すると対した武器はもっていない。だが、ある程度の経験者であれば、

立ち振る舞いからこの女がそれなりに場数を踏んでいる事は分かっただろう。


だが、レイは傲慢にも既に勝つことが当たり前といった考えしかない。

何故なら神から貰ったこの武器がある。負けるはずがないとレイは考えていた。


レイは相手に促され槍を取り出し構える。


相手はレイの持つ槍に一瞬目を見開く。


レイはニヤリ 、勝てると勝利を確信する。


まずは軽く、体を動かし戦闘状態をつくっていく。互いに相手を見極めようと、何度も軽く武器を交わしていく。


レイはその時やっと、自分が甘い考えであった事を知ってしまう。


レイは槍には自信があった。絶対の自信があった。

だが、所詮、付け焼き刃でしかない事を相手と武器を交わして今更気づかされてしまう。


そうなのだ、所詮はまだ使い始めて数日しか経っていない。槍使いとして、レイはまだまだ初心者なのだ。

そんな考えもレイはいつの間にか忘れてしまっていたのだ。


レイは相手の技量に不意を突かれ、一度槍を落とし、膝をついてしまう。


相手は止めを刺そうとはせず、不敵に笑いかける。


クソ!舐めやがって!!

レイは槍を持ち何とか立ち上がる。


そして、闘いは本番へと移っていく。


レイは槍を振り相手を攻め立てる。


レイの攻撃は威力がある、大きな音を立てつつ、相手は何とか堪え、機会を待つ。


辺りは暗く、月明かりと僅かな灯りしかない。


レイは一つ失念していた。必死に相手の武器を攻めるだけで、相手の表情を見ることを忘れていたのだ。もし、その時、顔を見ていれば、相手が堪えながらも何とか隙を伺っている、怪しげな眼光を見ることが出来たはずなのに。


レイは必死に攻め立てるが、疲れなのか、一瞬攻撃が遅くなる。

女はその一瞬の、隙をつき、レイを攻め立てる。攻防は一瞬で逆転してしまう。女の攻撃は力任せのレイ攻撃とは違う。女の持つ体のしなやかな動き、そして緩急をつけるテクニック。そして、武器の使い方。そして、言葉でレイを煽り、また生まれた隙をつく。

全てにおいて、女の技がレイを圧倒していた

そして、レイその時初めて知ることになる。

女は今までのはまだまだ本気では無かったのだ。

更にレイは気づかされてしまう。相手の持つ本当の武器を。レイが持っているのは槍一つ。だが、相手はそれよりも遙かに多くの武器を持っていたのだ。


今更レイはそれを知ってしまう。だが、気づいてももう遅かった。全てが遅かったのだ。


相手の技量についに根をあげレイは膝をつき、倒れてしまった。

…負けた。レイは負けてしまったのだ。

油断は最初だけのつもりだった。その後は冷静だったつもりだった。だが、それはつもりでしかなかったのだ。相手の苦しそうな悲鳴も今にも負けてしまいそうだという雰囲気も全てが、演技。女にとっては想定済みの行動でしかなかったのだ。


…悔しい。俺はもう負けた…女に負かされてしまった。…男としての安いプライドがひび割れていく。…悔しい。悔しい……いや、違う。違うぞ!!そうじゃない!一度負けたぐらいでなんだ!諦めるな!プライドが何だ

そんなクソみたいな物さっさと捨てちまえ!!さぁ!槍を持て!立ち上がれ!這い上がれ!!

とレイの、心が叫ぶ!そして心の応援に応えるようにレイの目に再び火が灯る。

そして、レイは槍を持ち再び立ち上がった。


レイが立ち上がった事は流石に予想外だったのか、相手は目を見開く。だか、一瞬で表情を引き締め、不敵に笑いかける。


だが、分かる、今のレイには分かってしまう。不敵に笑いかける表情も演技だ。余裕だと見せかけているだけなのだ。技量はなくとも確かにレイの攻撃は効いていたのだと。


そして、再び両者の熱い攻防が始まった。





気がつけば、夜は明け、朝になっていた。

朝日が戦場を照らす。そこに立っていたのは、…レイ1人だけだった。



終わった。とレイは倒れている相手と荒れた戦場を見渡す。


何とか最後には勝つことが出来た。

そして、荷物を纏めレイは戦場から去っていった。

残った戦場は、二人の戦いを残すかの如くいつまでも熱気が立ち込めていたのだった。



レイは闘いの疲れを感じながら受付に銀貨を払い、宿へと帰っていった。

宿に着きカギを受け取り階段を上がる。

部屋に入る前、ニーナの冷たい視線を背中に感じた気がした。



《ステータス》

名前 レイ

年齢 20歳

レベル 7

体力 280

魔力 47

武器スキル

・槍術レベル3(52/800)

特殊スキル

・身体強化レベル2(14/250)

・精力強化レベル1(4/50)←up

・鑑定眼レベル2(60/250)

・強奪レベル1(3/10)

・音声翻訳レベル1(3/50)

・悪食レベル1

・隠蔽レベル2(2/50)

マイナス系スキル

・鬼畜レベル2(4/500)


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