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鬼畜な道への異世界生活  作者: 野上一也
11/19

盗賊

これからどうしようかと色々考えていたらいつの間にか朝日が昇り始め、大地を薄っすらと照らし始めていた。


何時間も考えたが結局結論は出なかった。

いちを、取る手段としては3つある。

・暫くは森に篭り、モンスターを倒しレベル上げをする。

・他の町や、村を探しに向かう。

・こっそりトュルエラの町に忍び込む。


大きく分けるならこの、三つのどれかだろう。どれもそれなりに危険が伴う。散々悩んだが結局結論は出なかった。


仕方なく、考えがまとまるまで、森に篭ろうと思う。もしかしたら、何か別の方法が手に入るかも知れないしな。

…いや、それは楽観的過ぎるな。結局は決めて、失敗してしまうのが怖くて、先延ばしにしたいだけなのかもしれない。


ポーチから水袋を取り出し。喉をゴクゴクと鳴らし、胃に放り込んでいく。

そして、いつもの朝食を食べる。

食べ終わると立ち上がり、ストレッチをして、体を解していく。


次に、槍を構え、振るう。自分の不安を振り払おうと槍を振るい続ける。



ハァハァ…だめだこんなのじゃ。変に力が入って上手く振れてない気がする。落ち着け、集中だ。

ゆっくりと深呼吸をして、再び槍を振り出す。風を切る様に、流れる様に振る事を意識しながら振っていく。一時間ほど振り続け、疲れたので一度休憩する。

水を飲み喉を潤す。


ハァハァ…まだ、まだまだダメだ。何が違うのだろうか、

…そうだ、今度は身体強化を意識して使ってみるか


といっても、どうすればいいんだ?……

たぶん、魔力を使って…こう。…。

魔力を全身に行き渡らせる様にすればいいのかなぁ。…まぁ、よし、やれるだけやってみよう



レイは槍を置き、目を瞑る。体の中にある魔力を、感じようとする。……。ダメだわからん。何処にあるんだよ。…いや、早いか、もっと集中して、探せば…。体の奥深くを探すんだ。…深く…深く…


そういえば、モンスターを倒した時はいつも力が全身に渡って…その後…心臓?に行く気がする。とすると、魔力も心臓?か?

…心臓…心臓。…深く…深く……ホァ…ん?今何か暖かいものを感じたぞ!?これか?……ホァ…。

うん、コレだ心臓の処にあるのを微かに感じる。

これも、もっとハッキリと…。心臓の中にある暖かい魔力を…イメージして……ほわああ

…。これだ。これを動かすんだ

コレを全体に行き渡らせる様に…

…難しい。なかなか、進まないな…。

まるで細い鉄管を無理やり押し広げながら、進むみたいだ。

いや。少しずつでいい。少しずつ少しずつ広げていこう。管を少しずつで少しずつで大きく広げながら通りを良くしていく。


気がつけばあれから2時間近く立っている。

やっと全体に行き渡らせる事が出来、今度はそのまま、身体中を、進み渡せながら動かす。進み渡せながら、軽くジャンプをすると、なんと想像より1mほど高く飛び上がるのど感じた。


す、スゲェこれが身体強化…。身体中から力が漲ってくる。

よし、もっとだ、もっと楽に使えるように特訓しないと!

レイは身体強化を使いながらゆっくり歩いてみる。…よし…よし…あ!切れたっ。クソ!

もっかいだもっかい。…。一歩…二歩…さ、ん…ぽ。…ハァハァ。これ凄く集中力入るな!…ハァちょうと休憩。


水を飲み喉を潤す。そして、リムの実を食べる。…だいぶこの味にも慣れてきたな。今度は昨日採った実でも食べてみるかな…。しばらく町には行ける気がしないし。確かめる事も出来ないよなぁ。うん、でもなんか食べれそうな気がするんだよな


ポーチからピピの実を取り出す。

うん、黄色の西洋梨って感じだ。


レイは鼻に近づける。

…うん、分からん。…どうするか…。…あー!もういい。!なるようになるだろ!


気合を入れ、口に近づける。……カシュッ

……!!……バカウマ。

口に入れると、甘くフルウティな果汁が溢れてくる。う、美味い。味は柿みたいだな。…あ、やばい…ちょっと涙が…。そうだよ。これだようん。これが果物だよ!!うん!うん!美味い。甘い!体に染み渡る。


レイは夢中でピピの実を完食しもう一つ取り出しまた、食べる。美味い、これがあれば森でだって、やっていけるようん。美味ぁい。


しばらく果物の味に酔いしてて居た遠くから何かが聞こえ慌てて立ち上がる。即座に周囲を警戒し、槍を構える。そして、音が聞こえた方へと耳を澄ませる。


「…から、…ぁ…がよ…ょ」


声だ!人の声が聞こえる

地面に耳をつけ、振動の音を聞く。

トン、トン、カチャ…カチャ


複数の足音…そして…金属が擦れる音か?


どうやら、何人かが話しながら森を歩いているみたいだ。


冒険者か?…どうする?おれが逃げたことは町の住人もう手配が回っているかもしれない。あの時辺りは松明の一本だったし、おれも門番の顔ははっきり見えなかった。だから向こうも顔までは覚えてない…よな?

…だが…会うのは危険すぎる気がするここは、かと、いって今から離れても足音でバレそうだ。…なら、ココは隠れてやり過ごすか…。


レイは素早く荷物を纏め、近くの茂みの下にしゃがみ身を伏せる。考えてる間に大分近づいたのか、話し声がはっきり、聞こえ出す。


「…はぁ。どーするよ。今日も結局獲物ゼロじゃねぇか」

「ウルセェまだ、時間あんだろ。川の側の茂みに隠れてりゃ獲物は休憩しにやってくんだろ?そこを狙えやぁ一発よ」


「そういって3日前1日張ってたけど何も来なかったじゃねーか」


「はぁー?そりゃテメェが上の方が来るとか訳わかんねー事言って、場所移したせいだろーが、あそこなら絶手ぇ来たのにヨォ」


「それは、お前も納得してたじゃねーか、『確かにな』ってオメェも賛成したから移動したんだろ!?」


「はぁー?おれぁ、ンなこと言ってねぇよ」


「おめぇらいい加減にしろ!おめぇらいっつも言い争ってから獲物は逃げてくんだよ。だいたぃ、オレが…ン?」


「ん?どうした、コフ急に止まって」


「はっ、コフの、便秘がまた始まったんだよっ」


「し!……おめぇら、獲物だ」


なんか、仲の悪そうな連中だな。獲物?モンスターでも、居たのか?

いや、三人の足音で以外は聞こえない…。鳥でも居たか?


茂みから顔を覗かせ三人を見る。

小太りの茶髪の男が1人と細身の緑色と黄緑色の髪の男が2人の3人だ。

3人とも余り身なりが良くない。革鎧もボロボロで土で汚れてる。余り洗って居ないのか髪や顔も汚れベタついてそうだ、なんていうか、まるで……

すると真ん中の小太りの男と目が合った。そして、ニヤリと笑われた気がした。


こいつら、もしかして……盗賊か!!


すると、小太りの男がレイの、居る茂みの指差した。

「あそこだ!!」

すると、緑色の男が弓を構え、黄緑色の髪の男がこちらに向かい駆け出す。


ヤバイ!!レイは即座にポーチから短剣を取り出し、突撃してくる、盗賊に向かい投擲する。刺さったかどうかを確認する事なく槍を片手に横に転がる。すると先ほどいた場所に矢が刺さった。


クソ!獲物って人間の事かよ!

次回は13時頃に投稿予定です

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