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一〇一号室 「最後に笑う話」(後編)
それでも僕は、今だけ、この施設があって良かったと心から思います。
こんなにも罪深い僕に、こんなにも穏やかな一夜を許してくれたのですから。
……ああ、もうこんな時間ですか。
もうすぐ、朝が来ますね。
僕はもう、寝ることにします。
ええ、夜更かしは体に悪いですから。
夜が明ければ、もう、クリスマスですよね。
世界があたたかな祝福に包まれるころ、僕の枕元に、とびきりのプレゼントをよろしくお願いしますよ。
……すみません。
そして、……ありがとう、おじいさん。
あなたは僕の人生における、最初で最後の、サンタクロースですよ。
それでは、……おやすみなさい。