【レオン・パーパトラ】
扉の外でこちらを面白そうに見る 青年
すぐ上からはガタガタと、何人かが階段を降りてくる音がする。
「......耳、ふさいで」
そう一言言うと、疑いも無しにふさぐ青年。 マキは振り返っていた顔を正面に戻して呟いた。
『消滅』
屋敷が一瞬闇色に光り出す。 音も無しに
「......珍しい」
扉で呟く青年。
何が起きたのだろうか。 先程まで聞こえていた足音が一気に消え去る。 それはマキが言った小さな言葉のあとすぐの出来事だった。
「......全員......死んだ」
一段と低い声で青年に伝える。 その言葉は 青年は望んだことだろう。 だがマキは明らかにちがかった。 自分は悪魔だ、最低だ......。 そう思うと今度は ただの言い訳じゃないかと自分にイラついてしまう。
「......まさか 驚いた。 言霊とは 何ともセコい魔法」
感心したように うんうんと頷く。
「......帰れるだろ。 任務とやらが終わったんだから」
「残念、ここはただの練習。プラクティス、OK? ただ君の能力を確かめるだけのことをしたまでだよ。詳しい任務の話は俺の兄さん、セガレ・パーパトラに聞いてくれ」
練習......だって? こんな残酷なことがあるか。
......それじゃ さっきの屋敷の奴らは......こちらの事情に利用されただけの 悪事を働いていない奴らだったのか......?
信用なんか......出来るハズがない...... 何なんだこの集まりは。 人々の生活を支える魔力組織じゃなかったのかよ......。 人を死なせちゃ......支えなんか出来ないぞ......
「......誰も抵抗は出来ないんだ。 任務は任務。 強制なんだよ、やらなきゃいけないの。 逃げなんか出来ないんだから。 そんなの自殺行為。 肝に命じておくんだな」
そう言って車に乗り込む。
そのあとすぐに窓を開け言った
「俺の名はレオン。 レオン・パーパトラ、セガレの弟。 任務の責任者。 ヨロシクね」




