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Angel Angle  作者: 都城 禊
光と闇
6/6

5th period

 新キャラ登場!!です!


まあ大体先読めてきたと思いますが・・・



以後出演機会多いと思うんで嫌いにならずにお願いします。

「……ライゼ。何やら偽善者どもの援軍がこっちに向かっているらしいよ」

「…………問題ない」


 ――――罠。

罠につぐ罠。正直コイツがいなかったらオレは無力だった。噛ませ犬もいいとこだった。

それでもまあ。

なんとか付いていってるわけだけれど。

っていうかコイツはほんとに何も考えてないんだなぁ…と思う。


それこそ慎重に進めば、いや普通に進めば避けることができたであろうものも幾つかあったのだが。

すべてに引っ掛かる。って逆に才能だよな。

用意された仕掛けにすべて引っ掛かるだなんて。

アニメの世界だったら愉快なんだろうけどな。こういうのって。


しかし、罠すべてに引っ掛かったからと言って此方が被害を受けているわけではない。

ポジティブに考えれば、俺たちが罠にかかることによって、再起動しない罠はすべて破壊していることと同義なのではないだろうか。


後ろのヤツは警戒すべきが減っているとか。

多分コイツはそんなことを考え、あえてこういったふうに進軍しているのであろう。

頭良いなー。

はい、ここまでポジティブ。


「ここまでかかった時間と罠の数から考えて、これ辺りが最後っぽいよねー」

無論そうであろう。映像がない文においては推理力があるのではないか、なんていうミスリードをすることもあるだろうが。


映像があるなら。アニメなら。

一目瞭然。

なんといっても敵の根城であろう建物を目前にしていたわけだから。

んー。まあ、確定じゃないから別にそこまで否定することはないけれど。

「そうだな」

ちなみに、これというのは罠ではない。建物のことを言っている。

もしくは、戦いのことか。


ここまで進んできた過程はオールカットなのだけれど、結構しんどい道のりだったと言えると思う。

その中で、幾らかは暴力的なバトル。になったものもあったんだ。

流石に敵の根城を目前にして面白いことをやってるわけにもいかないので、オレたちは無言で進む。



えらく大層な、立派な門を開けると、入口――――エントランスにあたるであろう場所にいた。

――――――元凶。

金髪。

眩しいばかりの金色で頭の周りを包んだ、そんな金髪。

顔は肌白く、とてもではないが戦えるようには見えない。


こんな表現をしてしまうと、少し伝わりにくいと思うので、わかりやすく説明しよう。

極度の引き篭り。一切外の光を浴びなかったのではないかと思わせる白い肌。

ここまで一生寝続けたのではないかと思わせるほど、その男は幼く、脆弱に見えた。


「ようこそ。いらっしゃい」

それがこの男の発した最初の一言だった。

イメージとしては人と面向かって話すことが苦手な感じがしたけれど、意外と人を喰ったようなスタイルで話す。


「よくも、あ、いやいや違う。よくぞ僕の仕掛けた罠を越えてきたね。いやー、お見事、お見事」

実際コイツはそんなこと一切思っていないのだろう。

口調が軽い上に、罠はオールカットだし。

「当然だ。お前が元凶か」

あえて相手を悪者に誇張する。少しでも心境に変化が起こればしめたものなのだが。

若干、押され気味ではいるように感じたので、こう返してみたのだけれど。

「いーや、違うよ。元凶はそっちのリーダーでしょ」

「……リヒトか」

「へー、そうなの。そんな人は知らないなー。なにせ僕は最近、入団したばかりだしね」

見事にカウンターを喰らってしまった。何一つダメージを与えられなかった上に、情報を与えてしまった。

向こうの方が数枚上手なようだ。


「フン。まあいい。いずれにしてもオレはお前をぶっ倒す、その為にここに来た」

「君は僕には勝てないよ。君の持論じゃあねえ。僕は世界を救うという強い意志があるんだ、誰にも負けないね。だから一番強いだろう?強い意志をもったヤツが一番強いんだろう?」

そういって、ニヤリと笑う。


第一印象とはまったく違うな、コイツ。

人を喰らいすぎだ。そんな感じは一切しなかったけどなぁ。

でも、そんなことより、一体なにを言ってるんだ、コイ――――ツ。

そうか。そういえばここに来る前にそんなことを叫んでしまった気がするな。


しかし、何故コイツがその事を知っている?

あの表情から察するに、確実にオレの発言を踏まえて言っているに違いない。

あのオレの悲痛の本音の叫びを聞いていた者は二人。

内一人はそれからずっと行動を共にしてきたんだ。考えられる可能性は一つ。

……いや。

可能性は一つじゃない。何かこちらの事情を知る物…例えば、盗聴器なんかをつけれれていたのかもしれない。


オレに。


オレに?


それは無理だ。オレは今日付けでここに来たばかり。そんな根回しができるとは思えない。

リヒトか、それともエルンがオンフルーサイドの人間でないとそれはできない。

その可能性がないとは言い切れないが、おそらくないに等しい確率だろう。

なら……。

いや待て、まだ手はある。

オレに何かをつけることが不可能ならば、その時近くにいる者にあらかじめ用意しておけばいい。

人を疑うことはよくない。


「意志の強い者が一番強い?一体どこでそんな迷信を覚えてきたのか……」

「ベルケだよ。君は何か色々な可能性を模索していたみたいだけれど、単純に考えたらわかるだろう?僕は君の発言をそのままコピーした。つまり、知っているということだ。で、君のこの叫びを聞いていた人は一体何人いるのかな?二人か?その子は君とずっと一緒にここまで来たんだよね。はい、これで二分の一が消えたよ。可能性は一つ、というか答えは一つだよ」

「まあ…わかってたよ。そんなこと」


そう。分かってはいた。只、考えたくなくて他の可能性を模索していただけに過ぎない。

どれだけ考えても最終的にはここに辿りついただろう。

むしろ、始めからついていた。

ゴールから始まる徒競走なんて自分一人の力では終わらない。

実際、オレはどれだけ証拠を自分の中で見つけ出しても、その時、オレはオレを信じなかっただろう。

受け入れなかっただろう。

外へ、外へと逃げていただろう。


たとえ、ゴールから始める徒競走でも他人の干渉があれば終わる。

ソイツがスタートからゴール地点までを駆け抜ければいいだけだ。至極、簡単なこと。

この状況に置き換えると、真実を知っている者に本当のことを言われれば、終わる。

一人ではなくなる。

逃げ道がなくなる。


「…で、どうするの?一番強い――――即ち最強に君は愚かにも立ち向かうのかな」

「最強は最強であって、最高でもあるけれど、無敵ではない!」

「…………。そんなものは言葉の彩だよ。それに、その言葉の彩に乗っかって言うならば最強は無敵でなくとも無敗ではある。違うかな?それから、君はどうやら本気で僕に勝てると思っているようだし、こう思ってるんじゃない?『オレは主人公だから負けない、死なない』って。確かにそれは漫画やアニメの世界ではセオリーかもしれない。負けても只では負けない。なにか必ずどこかかしらで勝っている。最近僕はそのパターンにも飽きあきしてきたんだけどね。でも、それは何処までいっても漫画やアニメの世界なんだよ。それでも、この話はライトノベルだろ、なんて一瞬でも思った馬鹿はいないよな?同義だろ。理解しろよ。近頃、漫画と現実との世界の区別がついていない、なんて言葉をよく耳にするよな。でも、僕はそれは違うと思うぜ。区別がついていないんじゃない。ここは漫画の世界だと思ったので人を刺しました。なんてやついないだろう?漫画で出来たことは現実でも出来ると勘違いしている馬鹿が多いんだよ」


うぜえ!うぜえ!うぜえうぜえうぜえうぜえ!!

何を悟ったようなことを!

ああ、思ってるよ。そして実際そうなんだ。オレは『主人公』だ!

このライトノベルの『主人公』なんだ!

ここまで語り部を務めてきたのはオレだ!

全ての読者の人々はオレ目線でこの話は進んでるんだ。


…………それに、『主人公』は負けない、死なないなんて思ってねえよ。

今回だって負けるつもりで、負けることを覚悟してきたんだ。

『主人公』はどれだけ負けても、たとえ死んでも物語のクライマックス、そう最終章では勝者だ。

最終的には勝つ、それが『主人公』。

 序盤なんて大抵負けるものさ。


「オレが『主人公』だ!負ける訳ねえ!飽きてきたことには同感だ。それでもやっぱりこのセオリーはどこまでも続くんだよ!抗えねえんだよ!つまり、オレが勝者だ!」


思ったこと、感じたことを何も考えずに口に出す。

考えずに、というよりは考えられずに、の方が正しいか。

 支離滅裂なことを叫びながら、オレはこの金髪の男へと全ての力を向ける。

全ての力を込め、突き進む。

かつてないほど自我を失った瞬間だった。

何故これほどまでに取り乱したのかは定かではないが。

何か感ずるものがあったのだろう。



次の瞬間――――――。

腹から血が飛び出た。誰の腹からかって?無論、オレだ。その場に突っ伏す。

敗北。

この二文字を受け入れた瞬間だった。


「オレの負けだ」

「漫画の世界では確固とした主人公がいるだろう。しかし、現実は違う。現実では全員、自分自身が主人公だ。そして、自分自身以外は全員その他で構わない。時折関わってくるくらいだ。つまるところ、全ての人間が主人公であり、その他大勢でもあるというわけだ」


…うん。格好良いよ、アンタ。

オレの全力の攻撃も顔色一つ、というか何一つ通常の生活と変わらなかったのに。

それで、オレに敗北を認めさせて、それからそんな正論を吐けるなんて。

「ここは、漫画の世界ではなく、全員が主人公か――。正論だな」

「正論のように聞こえるだろう?」

「は?」

「しかし、違う。こんなのはもっともらしく言っているだけだ。そして、先刻から君が思っている通り、このライトノベルでは君は『主人公』だ。しかし、それでも、僕に勝つことはできない」

そうか。オレは『主人公』で良かったのか。

でもこんな状態で言われても皮肉にしか聞こえねえわな。


「それはお前がこれまでのセオリーをぶち壊すからか?」

「違う。確かに、ぶち壊してやりたいのは山々だけれど、実際にそんなことはできない。結局最後に主人公が勝たなければ、肩透かしを受けた気分になるからね。読者も興ざめさ」

「なら、何故オレはアンタに勝てない?」

何も思い浮かばない。確かに、モブキャラが最後に勝利して喜んでいるシーンでエンディングを迎えられたら、興ざめだが。

『主人公』が勝たなければいけないのなら、何故お前が勝てる?

『主人公』はオレだろう?

お前も言った通り。


「至極簡単なことだよ。僕も君と同じく『主人公』だからさ。嘘じゃないぜ?その証拠に次回の話はこの僕、ライゼの語りで話は進行させよう」

「お前も『主人公』…………?」

そして名前はライゼ……。

どこかで聞いたことがあるような。何処かオレに近しい者にそんなヤツがいたような気がする。

自分の名前も思い出せない人間の記憶だから、正確性はかなり低いかもしれないが。


「ああ、そうさ。今回の件で君は死にはしないだろうが、ある程度動けないほどの傷を負ったからね。丁度よかったんじゃないかな。それでは暫く休んでいてくれたまえ」

「お前は!お前はオレを殺さないのか。主人公が一人になれば、いや、一人になった方が断然良いに決まってるだろう!」

「殺さないよ。あくまで世界平和を望んでいるわけだしさ。これ以上手は下さない。ほら。帰るぜ、ベルケ」


なんなんだ。なんなんだよ、アンタは。

まるで、アンタが光でオレが影みたいじゃねえか。

それなら、アンタとオレの元は一緒みたいになるけどな。

格好良い。憧れる。


これからの身の振り方を少し考えようか。

「エルンー、ごめん。連れて帰ってくれな……ゥガッッ」

「ベルケェエッ!何してる!これ以上を手を下さないと言っただろうが!」



ああ。

そうか。

そういうことか。

さっきまでの言葉も全て嘘だったんだな。必要以上に取り乱しているようにしか見えないぜ。これがお前の闇の部分か。

ハナから最終的にここでベルケにオレを刺させる計画だったんだな。

いいよ、自分は善ぶってるその感じ。最高だぜ。


「すまない。この件は本当に……。わからない。何を考えているのか。君は先程負けを宣言したな。しかし、こんなことがあっては勝者を名乗ることなどできない。ただの――――卑怯者だ。今回のひと悶着、全て含めて僕の負けだ。それでは、今回こそ失礼させてもらう」

彼の言葉はいささかしぼんでいるように聞こえた。


でも、もういい。

もう、信じられない。


負けだとかなんとかほざいていたが、内心では全ての物事が完璧に進んだとか思ってんじゃねえのか。

許せねえ。

オレは世界を滅ぼす。

アイツらを滅ぼす。

復讐者となる。

今、この瞬間生きる目的ができた。感謝しよう。


「アル、大丈夫!?今すぐ連れて帰るから!」

「…………」

こうして、勝者のいない、引き分けでもなく、敗者しかいない戦いは幕を閉じた。

自分のことを主人公だと自分で認識しているキャラが二人もいます!!


普通は自分が主人公だなんて言いませんよね・・・。



そしてなんと、今回ずっと戦場にいたのにも関わらず全く喋らなかったキャラクターが!!

普通絡んできますよね。性格もあれだし。作者の責任です。未熟です。

的な5th periodでした!



宣言通りなるか??次話の語り手は・・・!?

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