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夜に語る  作者: 八折伏木
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新期生定期面談log No.001001AY

「……えっ、面談……ですか?えっと、はい……分かりました。え、今からなんですか……?」


というわけでどうもこんにちは、八折伏木です。

本編の方が毎度毎度あまりに間隔が空いてしまうので、「夜に語る」と銘打って自分の中での物語の整理という意味合いも兼ねて小噺の投稿を並行してやっていくことにしました。こちらも不定期ですが、サブストーリーとしてお楽しみいただければと思います。

___まずは名前を教えてくれるかな。


「……ゆ、幽夜……です」


___幽夜……君だね。苗字はわかるかい?


「わ……わかりません」


___それはどうして分からないのかな。もしかしてあまり親御さんとの会話は無かったのかな。


「ぼくは……おぼえてないんです。名前は……この……首にかかっているものに……書いてあったらしいです」


___それは……ネックレスだね。先端に付いているブローチ……その裏に君の名前が刻印されていた、ということだね。そして記憶喪失……と。そうなるとこの後の質問も内容を変える必要が出てくるね……それじゃあ次は……そうだ、君は好きなものはあるかな?


「好きなもの……ですか?」


___うん。何でもいいんだ、食べ物でも、何かしらの趣味でも。「今の君」が好きなものを教えてくれないかな。


「ぼくが今好きなもの……ええと……ともだちと遊ぶのは……好きです」


___うん……友達か。とてもいいね。それは1人かい?それともたくさん?


「今よく遊んでくれるのは……2人です。いつも元気な子と……いつもしずかな子」


___2人、いるんだね。元気な子と……静かな子か。まだ君たちがここに来てから1ヶ月程だけど、もう仲良くできている子たちもいるんだね。やはりとてもいい傾向だ。ちなみに普段どんな遊びをしているんだい?


「いつもは……ボールを使って遊んでいたり、いっしょに本を読んだりしています……ラブカはおひるねしてるけど……」


___ラブカ、というのはさっき言っていた子のどちらかかな。


「元気なほうです」


___そうか……どうやらその子は書物と向き合うのは苦手な子のようだね。反対に静かな子のほうは勉強も好きそうだ。ありがとう、次に行かせてもらうね……次は授業についてかな。今のところ受けていて退屈に感じる授業と逆に面白いと思う授業はどれかな。


「たいくつ……はつげんしゃについてのやつは眠くなっちゃいます。心についてのものは……好きです」


___発現者についての……ああ、燈郷の歴史に関しての授業かな。確かに歴史の授業というと小さな子たちは眠くなってしまいそうな授業筆頭だね。好きな授業は心についてのもの……うん、なるほどね。なんとなくだけど君の特性も見えてきたよ。


「ぼくの……とくせい?」


___うん、君の考え方の方向性……とでも言うべきかな。……っと、ごめんね。年端もいかない小さな子どもにする話でもなかったかな?君はなんだか幼い子どもだと思えない程話し方も大人びているし、なんだか不思議な感覚だよ。


「大人びている?ぼくが……ですか?」


___そうだね……君ぐらいの歳の子はそもそもあまり敬語を使うような年齢でもないとは思うかな。あ、変ってことじゃないよ。きっと今は覚えていなくとも、君の親御さんは教育熱心な人だったんじゃないかな。もしくは周りの環境が原因か……それは今は分からないけれど。


「ぼくの……お母さん」


___うん……うん?何で今……お母さんだけをあげたんだい?お父さんや兄弟……おじいちゃんおばあちゃんだっていたかもしれないだろう?


「あれ……そうですね、なんで……だろう……お母さん……お母さん……?うっ……なんで……なんで…………?」


___あっちょっと……おい!幽夜君!幽夜君!?


___新期生定期面談log No.001001 AY「幽夜」初回logより

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