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第4話、じゃあいつもみたいに『口移し』じゃないと食べられないってこと?

「おにいちゃん。はい、あ~~ん♡♡♡」


「あ~~ん。って、お前何しやがる!!!」


 学校のお昼休み。俺は妹の美雪が作った弁当を妹に「あーん」して食べさせられそうになっていた。


「え? どうして止めるの、お兄ちゃん?」


「教室でそういうことはやめろって、いつも言ってるだろ」

(あぶないあぶない、美雪が可愛すぎてついナチュラルに食べてしまうところだった)


 教室内ではすでに俺たち二人は注目の的になっていた。

 どうしてかって、俺の妹が学校でも人気の高い美少女であることと、その美少女妹に兄である俺がまるで恋人のように接せられているからだ。




 クラスメイト「ヒソヒソ」(また妹にあーんさせてる~)(ロリコンでシスコンとかマジヤバくない?)(くそ、うらやましい!)(なんであんなさえない奴が妹が美少女だからっておいしい思いを…)


 あーあ、またクラスメイトの俺に対するヘイトが溜まってるじゃん。




 俺の心労を他所にマイペースな美雪は、

「じゃあ教室じゃなかったらいいの?」

 などと言い出す。


「そういうことじゃなくてな」


「じゃあいつもみたいに『口移し』じゃないと食べられないってこと?」


「はいっ!?」


「仕方ないなあ、ほんとお兄ちゃんはワガママなんだからっ!!」


 口移しだ? あーんよりひどくなってるじゃないか。そんなことしたことないのに、なんで俺がいつも妹に変態プレイをさせてるみたいに周りに言うわけ? これ以上誤解が広がったらどうするんだ。




 クラスメイト「口移し?!?!」「いつもそんな高度なプレイしてんの?」「純粋無垢な妹さんになんてことを…」「これもうアウトだろ」「サイテー」


 案の定広がる誤解。




 妹はウインナーを口に咥えると、俺に向けて、

「はひ、はひゃくはへへ、ほひいひゃん(はい、早く食べて、お兄ちゃん)♡」

 と言って食べさせようとする。


「ちょっ、おま!?」


「ん~~~、ん~~~」


 妹が俺に顔を近づけ、ウインナーを俺の唇に当てた。


「んおっ!」


 クラスメイト「うわ、マジでやるのかよ」「信じられねえ、でも見て見たい」「これがこの兄妹の日常なんだ」


「いや、食べないから!!! 食べないよほんとに」


 どうしようもないので、俺は手で妹の口にウインナーを無理やり押し込んだ。




「グスン(泣) お兄ちゃん・・・ひどいよ。お兄ちゃんが口移しじゃないとご飯が食べられないって言うからしたのに」


 クラスメイト「あーあ、泣かせちゃった」「美雪ちゃんカワイソー」「普通あそこは食べるところだよねー」


 俺はいったいどうしたらいいんだ?



 ~つづくかも~




 ここまで読んでいただき大変ありがとうございました!!!


 もしよろしければ、つづきもお読みになっていただけるとうれしいです♡

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