第2話、早くおうちに帰って、今日も一緒にお風呂入ろ♡
放課後の教室。
俺と妹の美雪は高校生で同学年。クラスも同じだ。
「お兄ちゃん、一緒に帰ろっ!」
そう言うと、妹は俺の腕にぎゅっとしがみついてきた。
妹の柔らかい感触と暖かな体温が俺に伝わってくる。あと普通にいい匂いもする。
「お、おう(汗) 準備するからちょっとまってな」
学校でも妹は俺にべったりで、クラスメイトが見ていても平気でスキンシップを図ってくる。そして放課後になっても、それから逃れることはできない。
普通なら、たしなめるところだが、妹は死んでも俺を離さないので、俺は半ば諦めてしまっていた。
クラスメイト女子たち「ヒソヒソ」(うわー、またくっついてる~)(さすがシスコン)(妹に抱き着かれてニヤニヤしてるとかヤバイよね~)
(クラスメイトの女子たち、またなんか言ってるなあ~。大体俺に非がある感じなんだよなあ)
入学して、早一か月が過ぎ、クラスメイトに変な目で見られるのも、もう慣れてしまった。そして、妹は普通に可愛いので、怒りの矛先はつねに俺の方に向くのだ。
「お兄ちゃん!!!」
俺がクラスメイトの女子に注意を向けていたのを瞬時に察知した妹が、牽制してきた。
「早くおうちに帰って、今日も一緒にお風呂入ろ♡」
そして、平然と爆弾発言をする妹。
「えっ!?!? ちょ、ま!!!」
一緒にお風呂!? 今日も!? 何言ってるのこの子???
てか普通にわざとクラスメイトに聞こえるような声で言ったよね、今。
当然だが、妹と普段から一緒にお風呂に入っているという事実などない。
クラスメイト男子たち「お風呂?」「今一緒にお風呂って言ったか」「いやまさか…」
「一緒にお風呂」というアレなワードが聞こえたせいで、思春期真っ盛りなクラスの男どもも反応しだす。
信じられないものを見た、という目で俺たちを見る。クラスメイトたち。
さすがにこれ以上変な噂が広まったらまずいので、
「ヒソヒソ(おい、いつも一緒に風呂に入ってるみたいに言うな。変な目で見られてるだろ)」
と、たしなめる俺だが。
「去年まで一緒に入ってたもん!!!」
などと、のたまう妹。
「は!?!?!」
何、そんなでかい声で言ってんの??? てか入ってないよ? 信じる奴がいるからまじでやめろ。
クラスメイトたち「ヒソヒソ」(去年まで一緒だって~)(信じらんない。変態じゃん)(あんな可愛い妹と?)(あいつあとでボコすわ(怒))
「入ってねーーーーから!!! ちがうから~~~~!!!」
可愛い妹を持ったせいで俺の学校での立場はどんどん悪くなるのであった。
つづく???
ここまで読んでいただき大変ありがとうございました!!!
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