異世界こそ、先達はあらまほしき
(お~い…もう朝だよ~)
「う…う~ん、アテナ?」
まだ眠いな……もうちょっとだけ……
(今日はたわわちゃんと鍛冶屋に行くんだろ?ほ〜ら!もう9時だよ。もうちょっとなんて言っている時間なんてないよ〜)
あ!そうだった!!今日は十時からセレン家の鍛冶屋に行くんだった!!
その声で思い出し、僕は慌てて飛び起きた。しかし、僕の部屋にアテナの姿はどこにもなかった。
「あれ?アテナ〜?」
(たわわちゃんなら一階のキッチンにいるよ)
「わっ!!」
僕以外に誰もいるはずのない部屋から幼く、かわいい声が聞こえ、思わず声を出してしまった。
(うわぁっ!急におっきな声出さないでよ~。は〜びっくりした)
え、え、誰誰!?どこに居るの!?
(どこって……強いて言うなら……キミのなかかな……?)
まるで心を読んだかのような返答が返って来た。
「えっ…ぼ、僕の中?」
(そうだよ~!わたしはキミの唯一技術、《解析者》なんだよ)
え、僕のスキル?でも七年間、一度もそんなことなかったような。
(わたしは他の能力よりも凄くてさぁ、なんと成長出来ちゃうんだよ!)
「ええ!?もしかして僕の心が読めるの??」
(そうなんだ~。凄いでしょ)
その瞬間、カチャッという音とともに扉が開き、アテナが入って来た。
「エリス様、そろそろ時間ですので……って、起きていらしたのですか?」
「あ、う、うん。おはよう」
「はい、おはようございます。起きて早々で申し訳ないのですが、そろそろ約束の時間ですので……」
そう言うと彼女は時計を指差し、その時計は既に九時半を過ぎていた。
「あ!うん、ごめん。すぐに用意するから」
「お手伝い致しましょうか?」
「ううん。大丈夫」
「でしたら下でお待ちしておりますね」
そう言ってアテナは階段を降りていった。
(ほ〜ら、もう急がないとだよ)
幼い声で急かしてくる。まるでお出かけに行く前の子供のようだ。
「待って。まだ訊きたいことが」
(もう、な〜に?)
「さっき成長出来るだの何だのって言ってたよね。あれってどういうこと?」
(あ〜、そうそう。実はね、キミは昨日、Cランクになったよね?)
「うん」
(で、どうやらそれでわたしが喋れるようになったらしいんだよね〜)
「つまり、僕がランクを貰ったことで君が現れたってことだよね?」
(うんうん。まぁそんなとこかな)
なるほど。ということは、これから“B”、“B+”と昇格していくごとにまた成長していく可能性もあるということか。
「あ、あともう一つ」
(ん?なんだい?)
「君の名前は?」
(え!?)
予想外だったのか、少し驚いたような声だった。
(う〜ん……普通に解析者でいいんじゃないかな?)
「でもそれだと呼びづらいし…………あ、そうだ!!」
(??)
「ラゼなんてのはどうかな?」
(え〜ラゼ〜〜?)
え、やっぱり適当な思いつきだったし、嫌だったかな……
(うん、ラゼ……ラゼ!いいよ〜。イイ響きじゃん♪)
良かった。どうやら気に入ってくれたみたいだ。
(んじゃあ、これからどんどんキミのお手伝いしてくから。よろしくね〜)
こうして、僕たちに予期せぬ仲間が加わった。まあまだ知らないことばかりの異世界だし、こんな先導者でもいてくれたほうがいいよね。
どうもゴンザレス山田です。
こんな夜遅くの投稿ですいません。思いついたら忘れずに書こうといていると何故か毎回夜中になっていまうんですよね〜。
それは置いといて、とうとう五話まで来ましたよ!これも皆さんのお陰ですね!
あと皆さん、気が付きましたか?なんとあれだけ焦らしてたあらすじをようやく書きました。いや、ただの気分なんですけどね……
それとこれは質問なのですが、一話一話がもう少し長いほうがいいですかね?
いや〜他のなろう作者さんの小説を読んでいると、どれも3000〜5000字ほどあるんですよ。すごくないですか?一話分でですよ!一話!それに比べ僕のは大体1500字もないですからね。ほんと尊敬です。
なのでもし、もう少し長いほうが良いよ〜って方がいらしたらコメントで教えてください。(決してコメント乞食ではないですからね☆)
では、また次回お会いしましょう!