邂逅!!魔王??
誤字あったらすまねぇ。メンゴメンゴ byH3AsO3+R―CHO
「……と、言いますと?」
「貴方の父の遺言なんです。『息子が魔王様に逆らうようなら、殺して構わぬ』とね」
僕の父さんが、そんなこと……
「ですので、大人しく降伏を」
そう言うと一歩ずつ近づいてくる。
(っ!!どうすれば……とにかく!)
僕は床にそっと手をついた。
「??」とクリスが首をかしげる。
腕にチカラを込めろ……あの時のことを思い出せ………
───「今触れている地面全体が自分の手であり、足であり、胴だと思って」───
「はぁぁ!!」
僕は自分の手に思いっきり力を込めた。すると、かすかにだが何かが僕の腕をつたって手へ、そして地面へと移動したのがわかった。その次の瞬間、地面から分厚い岩の壁が出て、僕らとクリスを隔てた。
「!?………ほう、これは大胆な魔法を」
(よし!今がチャンスだ。)
僕は床に倒れるセレンを背負い、その場から逃げ出した。
今は逃げるしかない。戦って勝てないのは目に見えている。あの壁はすぐには壊されないはずだ。
(驚いた。あの魔力量からここまでの魔法を……。ましてはまだ七つの子供が)
そっと目の前の壁に手を添えてみる。厚さは……20tel。リンゴ一個ぐらいといったところでしょうか。これは並の魔法使いにも難しい。それを杖無しでとは……
「壊すのは容易ですが、追う意味はないですね。元より殺す気なんてサラサラないですし。でも、」
「でもあなたはこの国を去るべきです。ここではあなたの才能もつぶされてしまうでしょうし」
「ハァハァ、ラゼ。追っ手はどうだ?」
(後ろから追っては来ていないみたいだね)
よし、いくら魔王の配下だとしてもあのやっぱりあの壁はそう簡単には破れないだろう。てか、ラピス様とのチュートリアル以来使ってなかったけど、我ながらよく咄嗟に出せたな。
(魔力の消費なしに……というか元々そんな魔力なんてないのに出せてるんだけどさ〜。どうしてなのかな〜?)
「あ?まー、細かいことは後だよ後。っていうかそうだよ!ラピス様呼び出せばよかったじゃん!いつでも呼び出せるらしいしさぁ」
まぁ今更なんだけどな。とはいえ、なんとか危機は脱したか?あとは出口まで行ければ一件落着だ。あ、そういえば勇者さんたち、大丈夫かな?
そんな感じで出口を目指していたその時、
(あぶない!ストップストップ〜!!)
ラゼに言われ思わず静止する。その瞬間、
ガシャン!!!!
と甲高い金属音が響いた。
通路のの脇にあった鎧が持っていた剣が倒れ、僕が進んでいたであろう所を斬っていたのだ。
「あっぶね!!た、助かった」
(いや〜まさに間一髪だったね〜。さすが天才ラゼちゃん)
今ラゼののドヤ顔が見えた気がした……
「あ〜あ外しちゃった」
すると突如、少女の声がした。慌てて辺りを見渡す。
「クソッ!いない。何処だ!」
(サーチに反応がないよ〜)
「こーこだよ。気づかなかった?」
すると剣を落とした鎧の後ろから、どこからともなくピンク髪のサイドテールの少女が姿を表した。その体をよく見ると、半透明で奥の壁が薄っすらと見えていた。
(あれは、幽霊……か?)
(う〜んどうやら亡霊らしいね、あの子)
(亡霊だって?普通の幽霊とは違うのか?)
(大した違いはないけど、死んだことに気付かない、もしくはこの世に強い未練があるまま死んだ者が亡霊になるっぽいよ)
ふーん、ま、味方では無さそうだな
警戒しながらも、僕は無邪気に咲うその少女に話しかけた。
「君がこの剣を落としたの?」
「そうだよ。文句ある?」
文句しかねぇよ!!と言い返したかったが、下手に刺激するのも良くないだろうと思い、グッと堪えた。
「悪いけど、今僕たちは急いでるんだ。素直に見逃してくれないか?」
「いやね。私は遊びたいのよ。だ・か・ら、私を楽しませて頂戴」
やるしかないか。だってどうせ無視したらまた同じようなことしてくるんだもんなー。
(なぁラゼ。あの子、どのぐらい強い?)
(うーん霊を見るのは初めてだけど……魔力量がケタ違いだよ。今測れるぐらいでも、ざっと1万はあるよ〜!)
それはやばいな……こうなったら……
「君、名前は?」
「名前?珍しいものに興味があるんだねー。いいよ教えてあげる」
そう言うと鎧の後ろから出てきて、
「私はアマタル七代目にして『終わらぬ紅夜』の二つ名を持つ魔王、永久月マリンよ」
おいおい魔王だって?魔王は一人じゃないのかよ!?これは一筋縄ではいかなそうだ。
「じゃあマリン。これから君の遊び相手になってくれるひとを呼んでやるよ」
「へーじゃあなるはやでね」
さあ、頼みます!ラピス様!!




